Archive for 7月, 2010

歌「100語検索」 ④<時>-1 「時代」

時代

時代に関する言葉・・・

誰もが危機を感じ取れなくなったときに、本物の危機が始まる。(塩野七生)                                                                                                                                 *ある時代において目新しいものは、その二世代前に流行ったものの復活版にすぎない。(バーナード・ショー)                                                                   *名言のない時代は不幸だが、名言を必要とする時代はもっと不幸だ。(ベルトルト・ブレヒト)                                                                                 *時代に没頭していては時代を批評する事が出来ない。(石川啄木)  『何もかも行末の事見ゆるごときこのかなしみは拭ひあへずも 』                                              

『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=D11Bs_7G1rY&feature=related 中島みゆき1975                                                                                                                 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=I81JX55QfOk&feature=related 研ナオコ                                                                                        『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=N2WjFzBEYvs 薬師丸ひろ子                                                                                         『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=ZKhvbKMbayg&feature=related 夏川りみ                                                                                        『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=Z1RzSEBKLt8 徳永英明                                                                                              『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=df48XL4PLCs&feature=related  Hayley Westenra                                                                                                             『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=LQ9cJ6NdTUE&feature=related 中島みゆき                                                                                                            『少年時代』 http://www.youtube.com/watch?v=SqUA_UQsKE4 井上陽水                                                                                                      『学生時代』 http://www.youtube.com/watch?v=7FLZmzP7LmA ペギー・葉山                                                                                                                   『青春時代』 http://www.youtube.com/watch?v=-YOhA60bJ7w トップギャラン                                                                                                     『同棲時代』 http://www.youtube.com/watch?v=IGCOrHt04nw 大信田礼子                                                                                    『時代おくれ』 http://www.youtube.com/watch?v=qSw05db92BI 河島英五                                                                                                                                                          『いく時代かがありまして』 http://www.youtube.com/watch?v=30hq6L-ujtU 加藤登紀子                                                                          『時代おくれの酒場』 http://www.youtube.com/watch?v=axzg1R9pS54 高倉健                                          『みんな夢でありました』 http://www.youtube.com/watch?v=N4RaoKh7K2w 森田童子                                                                                         『カサブランカ・ダンディ』 http://www.youtube.com/watch?v=PxT4-8AGfek 沢田研二                                                                                                    

もちろん、いくつかの歌には異論も苛立ちもある。けれど、例えば、『時代』。                                                                                                                                                                                                  この歌が、若い人たちに、「あんな時代もあったねと」「笑って話」すことなど出来ない人々=他者の痛切の個的公的記憶を                                                                        忘却させてしまう力を備えているとしても、それはみゆき姉さんのせいではありません。 

池田浩士:                                                                                           『ひとつの事件を、被支配者たちは個別性から解放し、それに歴史性を付与することができる。歴史性とは、自分とは異なる位相で                                                                        抑圧にさらされている他者への視線を、現在・過去・未来にかんして獲得しうる、という可能性である』 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

歌「100語検索」  ③<夜>

20年前…。  酒が進み酔うと必ず浜田省吾の『もうひとつの土曜日』を歌い、最後には泣き崩れるSという後輩がいた。                                                                  10歳近く年長の、夫と別れ高校生の子も居る女性への痛々しい恋だった。周りは「実らぬ恋に、恋してるんだ」とあまり本気にしなかったが、不思議にもぼくと女房は、その女性と後輩Sのファンでもあったので女房など青年啄木に接する晶子気分ではなかったか?と思う、痛々しい恋に付き合うこととなる。その恋は、その女性がある男性と一緒になることで、「予定調和」的(?)に敗れるのだが、浜田の透き通った歌唱を聞く度に後輩Sの原形のような恋の気分が押し寄せて来る。人の恋路に声援を送ることなど、この時以外、後にも先にもないことだった。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         恋・・・、人は何故あんなにも一途になれるのだろう。                                                                                                                                          度し難い「視野狭窄」・我への没入、究極の身勝手・「私利私欲」が、そのまま比類なき「無私忘我」・奉仕でもあるという逆説的時間。                                                                                                                                                                      不思議な事態だ。詩人の営みの「ふるさと」、遠い原初の出生地もこの界隈ではないだろうか?

本日のお題は「夜」。 それぞれの「夜」は、もちろん後輩Sの「恋」よりは人生の蹉跌にまみれている。                                                                                                                                    50代半ばに差し掛かった後輩Sの「夜」はいかなる相貌をしていることやら・・・。 久しく会っていない。

『さすらい』 http://www.youtube.com/watch?v=826uPeLW-4A 小林旭                                                    『真夜中のギター』 http://www.youtube.com/watch?v=V74KZEf2alo&feature=related 千賀かおる                                                                                                  『見上げてごらん夜の星を』 http://www.youtube.com/watch?v=eLmhRMl4kJk 坂本九                                                                   『夜明けの歌』 http://www.youtube.com/watch?v=n2p03Tx9EPs 岸洋子                                                                             『夜霧のブルース』 http://www.youtube.com/watch?v=pENmIDtJ4Do&feature=related ディック・ミネ                                                                                                             『夜霧の慕情』 http://www.youtube.com/watch?v=7oC5Gbac3eU 石原裕次郎                                                                             『夜霧よ今夜もありがとう』 http://www.youtube.com/watch?v=3uctHkc3It 石原裕次郎                                                                                            『15の夜』 http://www.youtube.com/watch?v=AiD78w0AqeQ 尾崎豊                                                                                     『イヨマンテの夜』 http://www.youtube.com/watch?v=Q2odR2ccZFs 伊藤久男                                                                                                            『夜風の中から』 http://www.youtube.com/watch?v=hZXDHCVmc3Q 中島みゆき                                                                   『もうひとつの土曜日』 http://www.youtube.com/watch?v=XZWuTd3ItBo&feature=related 浜田省吾                                                                                                  『君が、嘘を、ついた』 http://www.youtube.com/watch?v=v5rT3axq1EY&feature=related オフコース                                                                                     『夢は夜ひらく』 http://www.youtube.com/watch?v=sngqSw63eE4&feature=related 藤圭子                                                                                                                 『赤坂の夜は更けて』 http://www.youtube.com/watch?v=4NzyRn8U8z8 西田佐知子                                                             『長い夜』 http://www.youtube.com/watch?v=f8GDv9iYjwM 松山千春                                                                     『リバーサイドホテル』 http://www.youtube.com/watch?v=E7TCf1csQeQ 井上陽水                                                                                                                                                                                            『夢一夜』 http://www.youtube.com/watch?v=tnTqewSREv4 南こうせつ                                                                                          『夜明けのスキャット』 http://www.youtube.com/watch?v=gaLFGctaKyM 由紀さおり                                                                                               『雨上がりの夜空に』 http://www.youtube.com/watch?v=oIBBbprepQg 忌野清志郎                                                                                            『抱きしめたい』 http://www.youtube.com/watch?v=8CHvfSHogBk Mr.Children                                                                            『アザミ嬢のララバイ』 http://www.youtube.com/watch?v=aZUp8MUmM-g&feature=related 中島みゆき

                                                                                                                        

歌「100語」検索。 ②<空>

先週、取引先のある女性社員が退社した。彼女は、ぼくの社への仕事発注の窓口の一人であり、何度か仕事をいただき、現場の労苦を共有した間柄だ。永年考えて来た「やりたいこと」に転進するそうだ。                                                                                                             是非送別会に出席したかったのだが、現場事情で果たせなかった。                                                                        伝え聞くところでは、彼女は送別会の最後の挨拶で 空のようでありたいです。だって、歌の歌詞でも空だけは特別でしょ、いつも人間の夢や希望を表している。そんな言葉は他にありません」 と語り、続けて、号泣して仲間への感謝を述べたそうだ。実際、その会社は「仲間」意識「共助」風土が生きている今どき稀な会社なのだと思う。                                                                               

彼女には特別の思い出がある、2年前のことだ・・・。当時、確か27歳だと聞いた記憶がある。                                                                                                       ぼくが「大人を示そう」と柄にもなく無理をして、我が半生(おっと4/5生だが)でたぶん唯一の、「大見得」を切って演じた「品川ジジイ:奮闘キザ篇」の一幕だ。 施工引渡しの日、お施主様・元請担当者である彼女・総合下請会社の管理者ぼく・現場施工の各工事者、皆が笑顔で「出来映え」に納得して談笑していた。と、彼女が施主から別室へ呼ばれた。嫌な予感・・・。                                                                                                                                                                                                                         数分後、彼女が沈んだ表情で出て来た。打合せや施工に不備があったのだろうか、別室で施主側担当者から詰め寄られたようだ。                                                                                                       やがて彼女はこちらへやって来て、泣き顔で言う。                                                                                                  「品川宿さん、すみません。出直しになりますけどやって下さい。図面確定後に、ドアがギャラリ付き(通気の為)に変更になっていたのです。それを私が伝え忘れてました、ゴメンナサイ。」                                                                                                                                              口頭約束は、図面化または書類化しておかないとこうなる。その穴埋めは安くはない。小さく短工期の現場ほど、それが抜けてこの種の失敗が起きやすいのだ。かく言うぼくにもこの種の失敗は山とある。今回、取り返しの付かない重大ミスではなかったのが不幸中の幸い。
3日後にドアを実費の半額(つまり当方も負担)で取り替えることとし、帰路、駅のガード下の居酒屋での「ちょっと一杯」と相成った。

「私、この仕事に向いてないみたい。キャリアもないし、思い違いや失敗ばっかり。品川宿さんにも迷惑かけてしまい申し訳ありません。仕事の成約に汲々として、押さえるべきいろんなことがしょっちゅう抜けてしまうんです。 ワタシ、最低!」。                                                                                                             ここで、品川ジジイが、下心ゆえにでもなかったのだと信じて欲しいがキザな迷セリフで「人生を語る」(?)わけだ。                                                                        品川ジジイは、労組運営・労組による会社経営ではついぞ出来はしなかった姿勢、その欠落・空白を埋めるように、歯の浮く科白を吐くのだった。                                                                                                                                                    「思い違いや失敗の数こそが、(現場施工の)この仕事の蓄積、つまりキャリアです。もし、ぼくに、あなたより多く持っているものがあるとすれば、それは思い違いと失敗の数だけ。心配ご無用。あなたは今日、確実にひとつのキャリアを積んだのです。」(臭)。{けど、本心ですよ}                                                                          真っ赤になった女性社員の目は潤んでいた。                                                                 (品川ジジイは、一度やってみたかった、篠原涼子登場のオリックスCMの上司的役回りを、ぎこちなくとも精一杯果したという訳だ。)                                                                                                                       

一年後、彼女は連続して女性トップの成績を上げ、部下を三人持つ立場になって行く。その彼女が先週退社した。よほどの「やりたい」ことがあるのだろう。 それとも・・・。                                                                                               が、彼女ならきっと乗り越えて行くだろう。そのうち、ゆっくり呑みたいものだ。                                                                             ***************************************************************************************************

 本日のお題は「空」。17曲にもなってしまったが、確かに「空」は特別です。                                            

                                                                                                   『悲しくてやりきれない』 http://www.youtube.com/watch?v=8JG0S9v2Yg4 おおたか静流                                                                            『青空』 http://www.youtube.com/watch?v=yXrj2DyJhlQ ザ・ブルー・ハーツ                                                                『雨が空を捨てる日は』 http://www.youtube.com/watch?v=5YwbH38eh8g 中島みゆき                                                                          『空に太陽がある限り』 http://www.youtube.com/watch?v=Z2B1tVf_5fA にしきのあきら                                                    『紅の翼』 http://www.youtube.com/watch?v=hBB9fNzmCy4 石原裕次郎                                                                                     『夢をあきらめないで』 http://www.youtube.com/watch?v=PW_kP5uwp7A 岡村孝子                                                        『熱き心に』 http://www.youtube.com/watch?v=_rxCSH43QT8&feature=related 小林旭                                                                         『異邦人』 http://www.youtube.com/watch?v=cIsCifnFy9Y 久保田早紀                                                                     『島人ぬ宝』 http://www.youtube.com/watch?v=h9Lg3dHFfsM BEGIN                                                                  『学園広場』 http://www.youtube.com/watch?v=ap-UabxvIR0 舟木一夫                                                           『赤い風船』 http://www.youtube.com/watch?v=VDpExFJNVRI 加藤登紀子                                                                    『星空のディスタンス』 http://www.youtube.com/watch?v=3ZaRYf2ebyA アルフィー                                                  『星屑のステージ』 http://www.youtube.com/watch?v=3E0uI2WZZTo チェッカーズ                                                               『翼を下さい』 http://www.youtube.com/watch?v=34JsHTl9oFU&feature=related 赤い鳥                                                                      『空も飛べるはず』 http://www.youtube.com/watch?v=h-kQw4JqCHE スピッツ                                                         『この空を飛べたら』 http://www.youtube.com/watch?v=Gyh4Q7y7YME 加藤登紀子・中島みゆき                                                             『芭蕉布』 http://www.youtube.com/watch?v=StMZxCpre-k 夏川りみ                                                                                                             *添付画像は、1956年:フランス映画 アルベール・ラモリス『赤い風船』より

歌「100語」検索。 ①<河・川>

川・河                                                                                                                              

Kと呑んだ夜、隣の席の男が、カラオケでたまたまその歌を歌い始めて、                                                                                                                              『深夜放送から流れるこの歌の歌詞に、ある川の名があったんや』とKの話は始まった。                                                                                                    『それは何度か聴いていた歌だったが、広く知られるようになって日も浅く、俺は川の名前までは知らなかった。その時、彼女はその場の危機をかわすように、「あっ、○○(街の名)だ」と言ってラジオに耳を傾けた。その10数年前、彼女が住んでいた街の名を口にしたんや。会話は途切れ、俺の動きが制された。                                                                                                                                                                       女生徒だった彼女の日々を想像して、俺はふと我に返った。                                                           翌朝、俺は大雨の中を猛スピードで帰宅したのだが、約束の時間を20分も過ぎていて、妻と二人の子はもう保育所へ出かけてしまっていた。                                                                                                                                                                                                                     その大雨の中、保育所へ急ぐ途中に横転して子二人と共にずぶ濡れになったと妻から聞かされた。やがて放り出された。別れた女房は同じ職場に働き続け、子二人はとっくに独立して、もう孫もいるよ。』                                                                         『この歌を聴くと、今も、その街の名・その川が流れる街の女生徒だった時期の想像の彼女・大雨・ギリギリまで待っていただろう妻・ずぶ濡れた妻と二人の子の姿が浮かぶんや。大事故にならなかったのは何よりだが、この歌、どうもいけません』                                                                         とKは苦笑した。30年は永いのか短いのか・・・。  

ぼくと同い歳のK。永い独り暮らしの不自由に、何故か次々相手を見つけ、「楽しんでるよ」と言い続けた虚勢にも、ようやく陰りが見える。                                                                    永い付き合いで、その日初めてこの話を聞かされたということが、何よりもそれを雄弁に物語っている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          主観的には、別れた妻とも、二人の子とも、その川が流れる街の元女生徒だった去ってしまった彼女とも、「切れて」「繋がる」「生」を生きたいと生きたKの30年だったのだろうとは思うが、相手からはとうに切られているのだ。 Kの方では身勝手にも流れることなく、なお澱んで留まっているとでも言うのか? 全ては、川のように流れ行くばかりではないと言うのか?                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

                                                                                                                                                                                     『河は呼んでる』 http://www.youtube.com/watch?v=h0qg8-Sp3X8 (同名フランス映画主題歌)                                                                                           『イムジン河』 http://www.youtube.com/watch?v=GOFFjpyVmvI キム・ヨンジャ                                                                                                 『川は流れる』 http://www.youtube.com/watch?v=D6xqNUHpW34&feature=related 仲曽根美樹                                                                          『北上夜曲』 http://www.youtube.com/watch?v=cpOunPFAMsk マヒナスターズ                                         『船頭小唄』 http://www.youtube.com/watch?v=CVwG3MAS8CE 森繁久弥                                                                                         『神田川』 http://www.youtube.com/watch?v=jNxm4euZ52o かぐや姫                                                                                              『千曲川』 http://www.youtube.com/watch?v=j8G1lhBOxBM 五木ひろし                                                                             『青葉城恋歌』 http://www.youtube.com/watch?v=69cGLlcfH3U&feature=related 佐藤宗幸                                                                              『雪国の町』 http://www.youtube.com/watch?v=AnGy9PZIoII 石原裕次郎                                                                                            『川の流れのように』 http://www.youtube.com/watch?v=3wmIrAFKLs0 美空ひばり                                                                       『織江の歌』  http://www.youtube.com/watch?v=lsNTZ3SWqdc 山崎ハコ                                                                             『黒の舟唄』  http://www.youtube.com/watch?v=DXhdgOI_tXk 野坂昭如                                                                           『すべての人の心に花を』 http://www.youtube.com/watch?v=FPGMsifqRgg&feature=relate おおたか静流                                                                                                                                                                                                                        

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」方丈記

                                                                                                                                                   

つぶやき: 菅直人の勘違い

「菅直人の勘違い」と同質のものは、ぼくやぼくの周りにも在る。

参院選を終え、菅首相は敗因について、消費税に関する提起が「唐突だった」「説明不足だった」などと釈明している。                                                                              元々「唐突」という「表現スタイル」は、ぼくらの日常においても、自己過信または相手軽視または対話忌避を背景に現出する。菅首相を「正直すぎた」などと庇う向きもあるが、この元・市民運動家は、市民「運動」はしたが「市民」ではなかった者に染み付いた本性が露呈したと言っては失礼か?                                                                                                                 よくあるのだ・・・、生産現場も営業の労苦も会社運営も経営の困難苦渋も資金繰りの悲哀も知らない「経営学者」、教育現場・子供の実際に触れることもなく教育を語り教師を攻撃して空理空論を説く「教育博士」など…。                                                                                                                               ぼくが経験した世界では、労働現場体験の全くない労働組合運動本部の「幹部」、倒産することのない職場に居て、各種リスクを背負って組合結成する者の、首を賭けて争議に臨む者の、その不安と覚悟を軽んずる「強気一辺倒」の「原理主義」労働運動の安全地帯「戦士」、全体を考察し扱う「党」に居るのだから、全体を把握・理解していて当然だと勘違いしている「党」専従の若造……。                                                                                       ところが、いわゆる経験や現場性「至上主義」が、これまた過信と決め付け思考を育むから厄介だ。何事も「切れて」「繋がる」、その往還…。                                                                                 難しいことだ。

 菅の過信対応が敗れたのであって、政権発足当初のスローガンへの期待は生きている。

 税に関して「消費税」アップが必要だとする菅首相の言い分は、一面の正論ではある。                                                                                                  税・医療保険・社会保障費(年金・雇用保険他)の総負担と給付・受益との整合性や、諸外国の水準・経験なども参考にした試行錯誤の上に論議されて当然で、必ずしも「消費税、絶対悪」ではないことは自明だし、日本が個人の総負担が度外れて多いのではないことも事実だ。国家を維持運営するのコストは民(企業も個人も)が納得を前提に負担するしかない。                                                                                                                       税の全体と使い方を再設計すべきであるというのは確かにその通りだ。                                                                                                                                                                                                    けれども、税の使われ方・医療や年金・教育や育児・年金制度などの論議と改革が半端な、しかも一方で「子供手当て」がスタートする中で、なおかつ国政選挙前に言うべきことか! 国会論議・閣内論議・党内論議さえなく・・・。これではまるで、彼が「しばらく大人しくしているべきだ」と名指しした人物の手法ではないか!                                                                                                          そこには、持論への「過信」と「解ってくれるはず」という「思い込み」と、選挙民への「軽視」が在ったと思う。さらには脱・小沢なる政治的思惑も…。                                                                                  加えて、普天間-辺野古問題、日米同盟の見直し からの逃避が見え隠れしていた。今回の敗北は当然ではないか? が、間違っても「大連合」へと流れてはならない。                                                                                                                                      選挙民は、比例区では 民主:1837万 自民:1402万。選挙区では立候補数もありそれ以上が 投票したのだ。決して大敗ではない。 新聞の「惨敗」論調でしょぼくれるのではなく、行政の無駄排除、箱物公共事業見直し、天下り構造改革、コンクリートから人へ、派遣法改正、年金制度改革、子育て支援、日米同盟の再検討・・・当初に言ったことを 【リ・スタート】すりゃいいのです。その為に、政権をいわば「左」から支える存在や、労働運動・社会運動・市民運動が是非とも必要な局面と思うが如何?う~ん

つぶやき: 9条改憲阻止の会ニュース 転載

2010年7月12日 第61号

 

参院選は終わったが普天間基地移設問題は出直しだ

 

■ いつもよりは苦渋に満ちた顔の菅首相の記者会見を見ていた。彼は参院選挙の敗因を「消費税を持ちだしたことが唐突だったという印象を与えたのではないか」と述べた。選挙直前に消費税増税問題を持ち出したことを敗因として認めている。彼が弁解がましく持ち上げていたのはギリシャ問題であった。ギリシャの財政赤字問題を他山の石とすべきだというのだ。こういう手法そのものが政治主義的である。ギリシャの財政赤字問題と日本の財政赤字問題は同じようにみえても大きな差異がある。現在のような管理通貨体制のもとではどこの国家も財政赤字を抱えるが 

その国の経済的力の基盤とどう関係しているかで意味は異なる。ギリシャの場合は経済力に見合わない過剰な国家財政であり、赤字で信用を失えば継続的な資金調達は不可能になるということだ。EU諸国などの財政支援を不可避とする。日本も膨大な財政赤字であるが、その意味する国債(国家の借金)が自国の経済力とのバランス(均衡)はまだ保たれているのであり、ギリシャのように危機になることはない。そこを無視した財政再建(消費税)議論は唐突すぎるし、思いつきの域をでない。丁寧な説明が不足していたというよりは、問題の理解そのものが不足していたのだ。これには普天間基地移設問題などを選挙の争点から隠そうとした焦りがあったのだ

 

    普天間基地移設問題での旧政権の日米合意{辺野古新基地建設}に決断した理由に鳩山は朝鮮半島での緊張とアメリカ海兵隊の抑止力を挙げていた。鳩山が哨戒艇の沈没事件をめぐる朝鮮半島の緊張を持ち出してきた時の唐突さと、菅がギリシャ問題を持ち出す唐突さは類似している。政治主義的な手法だ。これは簡単に通用しない時代であることを菅や民主党の面々は理解すべきである。参院選挙の重要な争点であるべき普天間基地移設―日米関係見直し問題は首相の交代劇で巧みに隠された。だが、8月末には辺野古新基地の場所や工法が決定される。これで一件落着か。そんなことはあるまい。ここから次のステージの戦いがはじまるだけのことではないのか。「日米同盟―抑止力」という曖昧な言葉がマスメディアでは踊り、挙句の果てに「仕方がない」という言葉が勝手に流されるのかも知れない。あきらめなさいというわけだ。僕らはこの問題はそれこそ、スタートラインにあると言いたい。僕らはこの問題の歴史的意味や展望、積み重ねてきた運動の反省に立ちながら次を準備していくしかない。8月末の日米合意に基づく辺野古新基地の場所や工法の決定を注視し、反撃を準備して行こう。        (文責 三上治)

つぶやき: サッカー・本田選手と横綱・白鵬

                                                                                                                      スポーツ新聞各紙が、ワールド・カップでの日本チームの活躍に掌を返して「岡田絶賛」を繰り返している。大会直前まで「岡田監督、頼むから辞めてくれ」と絶叫していたのは誰だ? 中島みゆき姉さんは言っている、『闘う君の唄を 闘わない奴らが嘲笑うだろう』 と…。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     新聞のその豹変賛辞を素直に読む読者は、大画面の前で日の丸マークを身体や衣服の一部に貼り付け「ニッポン、ニッポン」と絶叫して応援した者の中にさえ、あまり居ないだろう。                                                                                                                                                新聞のこの姿は、近くは前天皇死去時の「自粛」だらけ、イラク戦争開戦時の報道、小泉旋風時や民主党政権誕生総選挙とその後の「掌返し」や、古くは戦争に際して「聖戦を煽った論調」から「知れ、軍国の恥」と叫んだ敗戦直後の論調の生き写しだ。                                                                                                                                                             もちろん、それと共同歩調を繰り返す「ニッポン、ニッポン」連呼のファンや世論(?)は、同じことの表裏だ。                                                                                                                                                                             ところで、ゲーム直後の本田選手のインタビューへの返答は見事だった。                                                                                                                                                                            「どうですか、日の丸を背負って闘うというのは?」との若い迎合記者の誘導質問に、まだ息が上がったままの状態でこう答えたのだ。                                                                                                 (記憶なので、正確ではないが…ほぼ再現出来ていると思う)                                                                                                                                                                                         『ぼくらは、いいゲームを精一杯しようとは思っているが、日の丸や国を背負っているのではない。背負っているものがあるとすれば、それはチームと多くのサッカー・ファンです。』 思わず画面に向かって拍手した。                                                                       

琴光喜騒動に端を発した「相撲界、野球賭博事件」での報道と、相撲協会の対応やNHKの対応も奇妙な構図だ。                                                                                        ぼくは、琴光喜は十両に落としそこから再起してもらおうという、貴乃花の言い分に賛成だが、理事会は厳しい判定を下した。                                                                                                     面白いのが、NHKは相撲中継を中止せよとの抗議電話が圧倒的多数だった(とNHKは言っている)が、中止が決まると中継放映せよが圧倒的多数となったという世論(?)だ。                                                                                           内閣支持率や政党支持率についての、多すぎる「世論調査」同様、いかがわしい限りだ。                                                                                                                                              ところで、横綱:白鵬は8日、名古屋場所前夜祭での発言で、天皇賜杯授与自粛辞退についてこう言っている。 曰く『過剰反応ではないか?』                                                                                                (翌日、白鵬は「手天皇の賜杯が欲しかった」と言ったのだと判明)                                                                      (大江健三郎は、天皇が授与する文化勲章を拒否したのだった)                                                                     ついでながら「東京新聞」にいいコラムがあったので、転載しておく。

映画: 小百合さんナレーション 『ブッダ』、キョンキョン/永瀬競演『毎日かあさん』

手塚治虫『ブッダ』、西原理恵子『毎日かあさん』   映画化・来春公開

 スポーツ紙:芸能欄によれば、                                                                                        手塚治虫の長編漫画『ブッダ』(全14巻累計2000万部)がアニメ映画として、まず第一部が完成。                                                吉永小百合さんがナレーションを担当すると言う。期待せずにおれようか?                                                          全三部として、来年五月公開されるという。                                                                                                                                                                                      04年に離婚した永瀬正敏・小泉今日子が、西原理恵子作:『毎日かあさん』で競演する。                                                                 西原の『毎日かあさん』は、カメラマンの夫:鴨志田穣氏との、96年結婚・夫のアルコール依存症・03年離婚・06年復縁・07年夫腎臓癌で死亡 という実生活を描いている。キョンキョンが決まってから永瀬にオファーを出し、快諾を得たそうだ。キョンキョンも歓迎したと記事にはある。キョンキョンの応答セリフが実にいい。                                                  『同業として戦える日が来た』 う~ん、楽しみだ!                                         9月下旬クランクイン、来春公開。

先輩・友・義兄の 「生還と闘い」

先輩・友・義兄の「生還と闘い」。 某一泊旅行

奇跡的に生還し、現在は術後の「闘い」に在る三人の人を見舞い、その「生」への強い意志に出遭い逆に励まされたこの一週間だった。                                                                                                                  それぞれ、心筋症・脳梗塞・咽頭癌である。                                                                                                                                                                                               

W氏:( http://homepage3.nifty.com/luna-sy/re37.html#37-2 )                                                                                                                                                                                       永く心臓疾患を抱えておられたのだが、3月頃から体調を崩され、心筋症の再発・心不全で6月初めに入院。「植え込み式除細動器」(http://www.medical-aid.co.jp/topics/topics08.html)という装置を埋め込む大手術を乗り越えられ6月末退院された。                                                                                   ぼくらの労働争議(76~)、ぼくらの自主経営(77~98)、身内の某市議選立候補(90)、ぼくの某「駄小説」執筆時の助言・資料提供(06)・・・など                                                                             節目節目でお世話になりご指導ご助言いただいた大先輩だ。退院直後でもあるので短時間だけご自宅にお伺いした。                                                                                           以前から聞き及んでいたライフワークを書き上げると熱く語って下さった。それは、ご郷里=小藩「宇和島藩」の「明治維新直後の農民一揆」の顛末の掘り起こしだ。要求をほぼ認めさせた闘い、民の自営・自治・共助のコムミューン的思考と蜂起、民の側に立った幾人かの富農・庄屋、調停に力を注いだ初期自由民権派インテリ層、それらの陣形、新政府・新知事の協定破棄と弾圧、その散逸し埋もれた歴史の復権を果たし、民の「党ならざるものによる、大規模叛乱と自治」の可能性と教訓を読み解き、世に問う…。                                                                                     NHK「龍馬」や、司馬遼太郎的「明治礼賛」へのアンチの体系=総合的な異論だ。                                                                                                                     これをまとめ上げたいという「ライフワーク」を、是非モノして下さいと願わずにはおれないのだ。 (W氏、75歳)

F氏:                                                                                                                                                                                                      一年半程前、いわゆる脳梗塞で倒れる。自覚症状があり病院へ行った際に、不幸中の幸い、その廊下で…とのこと。12日間意識不明。                                                                                                                        http://square.umin.ac.jp/neuroinf/patient/105.html                                                                                                                右半身が機能不全。歩行や右手機能や会話や味覚を巡る、リハビリに奮闘。驚異の回復を遂げている。                                                                                                                                                                        学生期の云わば先輩なのだが、伝え聞くところによれば、ある「事件」の「首謀者(役?)」を引受け、事件の構造と自身の係わり以上の「罰」を科せられ長期間下獄したそうだ。ぼくは、学生期以来深い交流があり、永い悪友・呑み友達でもある。                                                                                                                               独力歩行での近隣への買物を当面の目標に、「必ず復帰する」と強く宣言していた。また一緒に呑みたい。 (F氏、64歳)

女房の実兄:                                                                                                              数年前、脈瘤除去の血管内手術を受け、ステントとか言う、血管を拡げるステンレスのメッシュが埋め込まれている(http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/int3rd/device/stent.html)。 復帰し、元気に働いていたのだが、今春、咽頭癌を発見。                                                                                                                           扁桃腺が腫れ気味…程度と思っていたところ、咽頭癌の第四段階。5月、14時間に及ぶ大手術から生還した。入院中だが、土・日に帰宅が許されている。女房の郷里、山陰の地方都市を訪ねた。                                                                                                           首の横から喉付近に大きな切開跡が痛々しい。下手をすれば頚動脈を切ってしまうのでは…と思わせる微妙な位置だ。舌切断の必要があり、喪った舌の一部に腹の一部を移植したという。元気に会話する姿に多少ホッとする。ぼくは、「素人経営」の破綻前後に「妹の為に」と援助してもらったまま、何も返せていない愚弟だ。しばらく、放射線治療が続くとのこと。快気を希う!                                                                   40年前、初対面、*判中の青臭く頭デッカチな男(過*派「随伴・金魚の糞」学生の、そのまたクズレ)と結婚する妹を案じてか                                                                                              「妹を泣かしたらぶっ殺すからな!」と凄んで吠えた場面、その真剣な表情は忘れられない。 (義兄、65歳)

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帰路、還暦祝いにと、娘・息子が女房に贈ってくれた(当然ながら、三年前ぼくの時には無かったのだが)「三朝温泉:料理旅館一泊の旅」で、                                                                                               女房はようやく気を取り直して子ども達への感謝に心を切り替えたようだった。                                                                               お世話になった人々へのお見舞いと激励・「ライフワーク」への声援・還暦・老いるということ、それらはどこかでひとつのことかも…。                                                                                           (「年をとる、それは 己が青春を 歳月の中で組織することだ」:ポール・エリュアール)                                                                         三朝温泉老舗旅館のとびきり美味い料理と築90年の木造旅館(文化財だそうだ)の趣が、そう思わせてくれた。                                                                                                                                                                                                                                                                                       お三方の生還と闘いを想い、復帰を希いながら、800キロひたすら運転手を果たした一週間だった。

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