Archive for 2月, 2012

歌「100語検索」35、 <去>

「去」は、場所的意味だけを言っているのかもしれない。肉体は去っても、何かは残して行くような、戻ってくるような・・・・・。                                                                                                                                                                     だから、「去」の前後に言葉を添えて、「去」のカタチと「去」に至った理由と覚悟を念を押して言ってしまふ。                                                                                   去り行く・過ぎ去り・置き去り・立ち去り・連れ去り・忘れ去り・・・・、                                                                                                                              消え去る、奪い去る、捨て去る、崩れ去る、拭い去る、溶け去る・・・・・。                                                                                       ところが、そう添えてもなお「去」には、現在への・関係への・他者への・事象への・自己への、限りない愛惜・執着が色濃く漂ふ。                                                                  「去」った者・こととの応答は可能なのだ。逢うことはもちろん、手紙・電話・メールさえもが断たれていても、対象の生存が不確かでも、                                                                              歌の主人公はその存在へ発信を止めはしないし、その存在からのメッセージを受信し続けている。                                                                                            そんな彼・彼女を嘲笑う気にはなれない。                                                                   

『さくら貝の歌』 http://www.youtube.com/watch?v=oq-k9jwfyfk 鮫島有美子                                                                                                     『君恋し』 http://www.youtube.com/watch?v=BAROgRoNIUE フランク永井                                                                                                                 『北帰行』 http://www.youtube.com/watch?v=WY45dJ_t9CQ 小林旭                                                                                                          『無情の夢』 http://www.youtube.com/watch?v=poaLmdamE1U 中村美津子                                                                                                     『からたち日記』 http://www.youtube.com/watch?v=CJ_Z5W91fU8 島倉千代子                                                                                                                『早春賦』 http://www.youtube.com/watch?v=MxJ69ZQ3uzA 坂本明佳                                                                                                        『君といつまでも』 http://www.youtube.com/watch?v=g5bknB4PplI 加山雄三                                                                                                                    『今はもう秋』 http://www.youtube.com/watch?v=IgGS9OyrQks トワ・エ・モア                                                                                       『夢去りし街角』 http://www.youtube.com/watch?v=wdGHVH0U_Ek アリス                                                                                                                        『贈る言葉』 http://www.youtube.com/watch?v=S0LbBb6ObcA 海援隊                                                                        『耳をすましてごらん』 http://www.youtube.com/watch?v=xtEklmV_Sg0 本田路津子                                                                                                            『わかれうた』 http://www.youtube.com/watch?v=HQdBergsNZk&feature=fvst 研ナオコで                                                                                       『異邦人』 http://www.youtube.com/watch?v=4mkBeoN44Og 久保田早紀(現在某教会の聖歌隊の指導者だそうです)                                                                               『さらば青春』 http://www.youtube.com/watch?v=z8ok2RXA_PM&feature=fvst 小椋佳                                                                       『愚か者よ』 http://www.youtube.com/watch?v=M9xAimsVYg0 萩原健一                                                                                      『いい日旅立ち』 http://www.youtube.com/watch?v=kFlpqqA3zEo 山口百恵                                                                                                             『人生を語らず』 http://www.youtube.com/watch?v=rpyFkX01mZI 吉田拓郎 

                                                                                                                                                                             

通信録: 孫に教えられ

知育・体育・食育・感育 プラス働育ですね。

当方相も変らぬ高齢者「現場管理」で、周りをヒヤヒヤさせております。                                                                             百貨店などでは62歳以上は「実質お断り」の「KY(危険予知)」の項目内で、                                                                                                その特別講習を潜っての現場管理・・・、実に「迷惑(?)」的存在です。

 ところで、 数年前、ある集まりでのメイン発言者の、世に出る前に基礎的な「人間力」教育や基礎的な「労働観」の確立教育が是非とも必要だという論に(それはニートや、労働忌避症候群を巡る研究会だったのですが)、                                                                                                                 「労働者の権利意識」(労基法・労組法・団結権など)をどう伝えるのか?・・・とか、「人間力」ってつまりは「奴らへの協調性」のことか?・・・、と会場から質疑がありましたね。                                                                                                           玉子とニワトリのごとく、どちらが先かではなく、共に必要な要素に違いないと思うのです。                                                                        「協調性」や「従順」だけを要請し、それを「人間力」(当日語られていた「人間力」は断じてこれではありません。会話力・他者理解力・協働感覚などです)だとする側に対して、働く者の「基礎的」権利意識の確立がまず在るべきだ、その応酬では、それこそハシズムなどにつけ込まれると思います。                                                                                                              結果・目的・成果・役割・何の為という「労働」の社会的側面ではない、「労働」そのものが持つ意味とでもいうべきモノ、かと言って地位・収入・名誉などの俗情と無縁では在り難いいわゆる勤勉・努力・自負心とはまた「別のモノ」である、個人が「働くこと」の中に是非とも確立したいと願う、自己と労働との一体感を希求する人間の本来性を想ったところです。                                                                                                  左翼や労働組合は「世の為人の為」や「清く正しい労働」などを語る癖があるが、その「別のモノ」を軽んじて来た、あるいはその位置づけを怠って来たのではなかったでしょうか? だからハシズムが闊歩したり、攻撃が有効だったりするのだと思います。                                                                                           「人間力」「人権感覚」・・・、それは共に必要なのことのはずです。

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 働くことへの立ち位置や距離感がとりわけ団塊世代には希薄で、「食い扶ちを稼ぐこと」程度にして捨て置き、天下国家を大声で論じていたなぁ~、と。何せある種の左翼に於いては、「社会論」よりも「国家論」「権力論」なんですから・・・。                                                                                                                                 孫が活き活き(母親の職業でもあるからか)ナースごっこしている絵柄に、ハッとあることを教えられたのでした。                                                                              上手くまとめられませんが、                                                                                      小中の公教育には、国や企業からの要請に応える回路からではなく、働く者の側から、「労働」の意味を伝える工夫が是非とも必要なんだと強く想ったところです。                                                                                       実に遅い気付きではあります。

通信録: 橋下違法アンケート事件 朝日の記事

元弁護士橋下の人権感覚・憲法理解を問う!

『 大阪市の職員アンケート、一時凍結 救済申し立て受け

大阪市が全職員を対象に労働組合や選挙活動への関与を問うアンケートをしている問題で、調査を担当する市特別顧問の野村修也弁護士が17日、市役所で会見し、回収したアンケートの開封や集計作業を一時凍結すると発表した。調査に反発していた職員労働組合からは「凍結は当然。市長は謝罪を」との声が出ている。

調査を指示した橋下徹市長は、アンケート実施にあたって職員向けに出した説明文書で、回答を業務命令とし、回答しない職員は処分対象になり得ると通知。これに対し、市労働組合連合会(市労連)は13日、「アンケートは不当労働行為」として大阪府労働委員会に救済を申し立てた。                                       野村氏は凍結の理由について「法定の手続きが開始された以上、推移を見守るのが穏当」と述べ、作業再開の時期は「未定」とした。                                                                                                 橋下氏は17日、報道陣に対し「何ら問題ないと思っているが、野村氏に判断を委ねている」と述べた。 

 

橋下! 君はどんな弁護活動をしてきたのか? 君の人権感覚とは?

通信録: 橋下君の出身組織(日弁連)の見解

大阪市のアンケート調査の中止を求める会長声明

大阪市は、本年2月9日、市職員に対する政治活動・組合活動等についてアンケート実施を各所属長に依頼した。

本アンケートは、組合活動や政治活動に参加した経験があるか、それが自己の意思によるのか、職場で選挙のことが話題になったか否か等について業務命令により実名で回答を求めるとともに、組合活動や政治活動への参加を勧誘した者の氏名について無記名での通報を勧奨している。また、本アンケートは外部の「特別チーム」だけが見るとされているが、アンケート内容により回答者に対し処分を行うとされている以上、結局は市当局がアンケート内容を知ることに変わりはない。
このようなアンケートは、労働基本権を侵害するのみならず、表現の自由や思想良心の自由といった憲法上の重要な権利を侵すものである。

まず、本アンケートが職員に組合活動の参加歴等の回答を求めていることは、労働組合活動を妨害する不当労働行為(支配介入)に該当し、労働者の団結権を侵害するものであり、職員に労働基本権の行使を躊躇させる効果をもたらすことは明らかである。
また、政治活動への参加歴や職場で選挙のことが話題にされることを一律に問題視して回答を求めることは、公務員においても政治活動や政治的意見表明の自由が憲法21条により保障されていることに照らせば、明らかに必要性、相当性を超えた過度な制約である。そもそも地方公務員は、公職選挙法においてその地位を利用した選挙運動が禁止されるほかは、非現業の地方公務員について地方公務員法36条により政党その他の政治団体の結成に関与し役員に就任することなどの限定的な政治的行為が禁止されるにすぎず、その意味でも本アンケートは不当なものである。

ところで、本アンケートには、①任意の調査ではなく市長の業務命令として全職員に真実を正確に回答することを求めること、②正確な回答がなされない場合には処分の対象になること、③自らの違法行為について真実を報告した場合は懲戒処分の標準的な量定を軽減することが、橋下徹市長からのメッセージとして添付されているが、これも大きな問題である。
すなわち、アンケートの該当事項が「違法行為」であるかのごとき前提で、懲戒処分の威迫をもって職員の思想信条に関わる事項の回答を強制することは、いわば職員に対する「踏み絵」であり、憲法19条が保障する思想良心の自由を侵害するものである。

以上のように、本アンケートは当該公務員の憲法上の権利に重大な侵害を与えるものであり、到底容認できない。
当連合会は、大阪市に対し、このような重大な人権侵害を伴うアンケート調査を、直ちに中止することを求めるものである。

 2012年(平成24年)2月16日     日本弁護士連合会   会長 宇都宮 健児

通信録: 年寄りの冷や風

寒風の木更津

有名ブランド品がアウトレット価格で購入できるメーカー・ブランド直営のアウトレット・モールが全国各地にある。チェルシージャパンが業界一位、三井不動産が運営する三井アウトレット・パークが二位だそうだ                                                                         チェルシーの御殿場・りんくう・神戸三田、三井の横浜ベイサイド・幕張・マリンピア神戸などが有名だそうで、甲子園球場の十ン倍の敷地に百数十店を擁し、フードコートや遊戯施設や憩いの庭園を配し、それこそ一日中楽しめる一大ショッピングモールを形成している。ブランド品志向の人々が押し寄せているそうな。

千葉県木更津に4月13日のグランド・オープンを目指して、「三井アウトレットパーク木更津」の工事が急ピッチだ。                                                 その中の一店の内装工事を品川ヤスマロが籍を置く会社が孫請けしている。春先の繁忙期、人員配置の限界から、ヤスマロは本来の管理者が到着するまでの5日間だけ現場管理の「代行」で現場へ向かった。アウトレット・モールを見たことも行ったこともない時代遅れのヤスマロは、その敷地のデカさにビックリ。普段、街なかの商業施設やオフィスの施工をしている身には巨大な施設の景観は未来都市のように無機質で、やたら広い駐車場スペースは宇宙遊覧旅行の順番待ちに並ぶ空飛ぶ自家用車の待機場所のように見える。                                                                                                                          他のアウトレット・モール同様、車での来客が前提で、かなり辺鄙な場所にあって、付近には飲食店はもちろんコンビニもない。おそらく農地だったのだろう・・・。                                                                              海から直撃の敷地を吹き抜ける寒風が放つ音は、農地の解体という出来事に象徴される「波」「流れ」に抗しきれないその地の空気の喘ぎ声のように聞こえた。 

ヤスマロは近年ますますトイレが近い。頻繁に現場の仮設トイレに向かうにも、ぬかるんだ未舗装のドロ路をグルリと歩くのだが、「どろ路にふみ迷ふ」(西脇順三郎「旅人かへらず」)などとつぶやいて、ギリギリのセーフを繰り返してヘトヘト。                                                                                                                                                                         現場管理の諸手続きに慣れない者には結構煩雑(慣れれば簡単なことなんですが)で、初日・二日目と続けてミスをした。提出時刻の勘違いと、作業員(その日は8名)の一人が緊急連絡先を未記入。各工事区画の現場管理者全員が参加する定例会で、お叱りを受けてショボンとしていると、昼食時、この昼食は朝9時半までに申し込み配達されてくる給食屋の弁当なのだが、その昼食時に、大きな声で叱責した当の若い全体管理の「監督」が近寄って来た。                                                                                 「先ほどは失礼しました。貴方は見かけないから最近入場なさったのでしょうが、何度言っても同じ間違いを繰り返す人が多いんですよ。その人たちへの警鐘を込めて言い易そうな貴方に言わせてもらいました。すみません。」                                                                                                             「いえいえ、当然です。こちらが悪いんです。しかし、ぼくは言い易い顔してます? 逆に言いにくい怖い顔だと言われていますが・・・」                                                                                                              「失礼ですがおいくつですか?」                                                                                             「実は、現場規定では高齢者でもある**歳です」                                                                                             「そうですか。私のオヤジよりご年配だ。人生の先輩に失礼しました。貴方のお顔はオヤジに似てるんです」                                                                                                                                                施工区画へ弁当を抱えて戻る途中、寒風に晒されて目に異物が入ったわけではないのに、込み上げるものを感じて、ヘルメットの庇を下げて顔を人に見られないようにしていた。

5日目に本来の現場管理者と交代したのだが、早朝7時からの朝礼・寒さと広さと安全対策と諸手続などから解放されてホッとする反面、もう少しこの現場に居たい様な奇妙な気分で、東京湾アクアライン高速バスで都内の事務所に戻った。                                                                                                                                                                                  近未来に、この若い「監督」のような感性、気遣い、働く優しさは通用し続けるだろうか・・・?                                                                                                                                                 近未来をハシズム派に委任してはならない! 

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