先輩・友・義兄の 「生還と闘い」

先輩・友・義兄の「生還と闘い」。 某一泊旅行

奇跡的に生還し、現在は術後の「闘い」に在る三人の人を見舞い、その「生」への強い意志に出遭い逆に励まされたこの一週間だった。                                                                                                                  それぞれ、心筋症・脳梗塞・咽頭癌である。                                                                                                                                                                                               

W氏:( http://homepage3.nifty.com/luna-sy/re37.html#37-2 )                                                                                                                                                                                       永く心臓疾患を抱えておられたのだが、3月頃から体調を崩され、心筋症の再発・心不全で6月初めに入院。「植え込み式除細動器」(http://www.medical-aid.co.jp/topics/topics08.html)という装置を埋め込む大手術を乗り越えられ6月末退院された。                                                                                   ぼくらの労働争議(76~)、ぼくらの自主経営(77~98)、身内の某市議選立候補(90)、ぼくの某「駄小説」執筆時の助言・資料提供(06)・・・など                                                                             節目節目でお世話になりご指導ご助言いただいた大先輩だ。退院直後でもあるので短時間だけご自宅にお伺いした。                                                                                           以前から聞き及んでいたライフワークを書き上げると熱く語って下さった。それは、ご郷里=小藩「宇和島藩」の「明治維新直後の農民一揆」の顛末の掘り起こしだ。要求をほぼ認めさせた闘い、民の自営・自治・共助のコムミューン的思考と蜂起、民の側に立った幾人かの富農・庄屋、調停に力を注いだ初期自由民権派インテリ層、それらの陣形、新政府・新知事の協定破棄と弾圧、その散逸し埋もれた歴史の復権を果たし、民の「党ならざるものによる、大規模叛乱と自治」の可能性と教訓を読み解き、世に問う…。                                                                                     NHK「龍馬」や、司馬遼太郎的「明治礼賛」へのアンチの体系=総合的な異論だ。                                                                                                                     これをまとめ上げたいという「ライフワーク」を、是非モノして下さいと願わずにはおれないのだ。 (W氏、75歳)

F氏:                                                                                                                                                                                                      一年半程前、いわゆる脳梗塞で倒れる。自覚症状があり病院へ行った際に、不幸中の幸い、その廊下で…とのこと。12日間意識不明。                                                                                                                        http://square.umin.ac.jp/neuroinf/patient/105.html                                                                                                                右半身が機能不全。歩行や右手機能や会話や味覚を巡る、リハビリに奮闘。驚異の回復を遂げている。                                                                                                                                                                        学生期の云わば先輩なのだが、伝え聞くところによれば、ある「事件」の「首謀者(役?)」を引受け、事件の構造と自身の係わり以上の「罰」を科せられ長期間下獄したそうだ。ぼくは、学生期以来深い交流があり、永い悪友・呑み友達でもある。                                                                                                                               独力歩行での近隣への買物を当面の目標に、「必ず復帰する」と強く宣言していた。また一緒に呑みたい。 (F氏、64歳)

女房の実兄:                                                                                                              数年前、脈瘤除去の血管内手術を受け、ステントとか言う、血管を拡げるステンレスのメッシュが埋め込まれている(http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/int3rd/device/stent.html)。 復帰し、元気に働いていたのだが、今春、咽頭癌を発見。                                                                                                                           扁桃腺が腫れ気味…程度と思っていたところ、咽頭癌の第四段階。5月、14時間に及ぶ大手術から生還した。入院中だが、土・日に帰宅が許されている。女房の郷里、山陰の地方都市を訪ねた。                                                                                                           首の横から喉付近に大きな切開跡が痛々しい。下手をすれば頚動脈を切ってしまうのでは…と思わせる微妙な位置だ。舌切断の必要があり、喪った舌の一部に腹の一部を移植したという。元気に会話する姿に多少ホッとする。ぼくは、「素人経営」の破綻前後に「妹の為に」と援助してもらったまま、何も返せていない愚弟だ。しばらく、放射線治療が続くとのこと。快気を希う!                                                                   40年前、初対面、*判中の青臭く頭デッカチな男(過*派「随伴・金魚の糞」学生の、そのまたクズレ)と結婚する妹を案じてか                                                                                              「妹を泣かしたらぶっ殺すからな!」と凄んで吠えた場面、その真剣な表情は忘れられない。 (義兄、65歳)

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帰路、還暦祝いにと、娘・息子が女房に贈ってくれた(当然ながら、三年前ぼくの時には無かったのだが)「三朝温泉:料理旅館一泊の旅」で、                                                                                               女房はようやく気を取り直して子ども達への感謝に心を切り替えたようだった。                                                                               お世話になった人々へのお見舞いと激励・「ライフワーク」への声援・還暦・老いるということ、それらはどこかでひとつのことかも…。                                                                                           (「年をとる、それは 己が青春を 歳月の中で組織することだ」:ポール・エリュアール)                                                                         三朝温泉老舗旅館のとびきり美味い料理と築90年の木造旅館(文化財だそうだ)の趣が、そう思わせてくれた。                                                                                                                                                                                                                                                                                       お三方の生還と闘いを想い、復帰を希いながら、800キロひたすら運転手を果たした一週間だった。

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