交遊通信録: 連休最終日は 孫の日(?)

 K様。
拝復。
晴天でよかったですね。ぼくの連休最終日は、「孫の日」かな・・・(苦笑)。
 
5月5日は、
朝から孫と近所の公園へ・・・。保爺は60分でギブアップ。
昼前、女房と大阪駅頭:梅田陸橋へ。
毎月第一水曜日に、韓国日本大使館前で開催されている
『日本軍「慰安婦」問題の解決』を求めるソウル水曜デモに呼応・連帯して、                                             ここで 大阪・水曜集会が行なわれている。初めて覗いた。
日本の立法解決を求める、120万人署名活動を続ける行動には、
排外主義集団の暴力的妨害行為がエスカレートしているという。
過去を、公的記憶を、捻じ曲げるところに歴史などありはしない。
子どもの日。孫たちへ歴史を伝えることの意味を、噛み締めたいと思った。
 
午後、京都東山七条の「京都国立博物館」:長谷川等伯展へ。
霧の中へ奥へ幾重にも連なり消えいる松木立に誘われ、大きな『松林図屏風』の前へ・・・・。
霧に包み込まれていると思える感覚に充たされ、呆然と立っていた。
「日本的(とされている)美」を尊ぶ心は、日本が近現代にアジアで行なった、
愚行の数々を「なかったことにする」心とは、決して両立しはしない、と強く思う。
さらに想う。
ここ数年流行りの、「江戸再評価」「幕末志士礼賛」「明治回帰志向」などが、
もし不都合な事象の隠蔽の上に成っているのなら、それはいかがわしいと・・・。
もちろん、連休中に読んだ『天地明察』(冲方丁<うぶかた・とう>著、角川書店、¥1800)                                                                                  http://www.kadokawa.co.jp/sp/200911-06/?banner_id=200911-06_ov に登場する、
江戸期の、舌を巻く数学水準・天文学、江戸期の文化・教養水準は正当に評価されなければならない。
あるいは、同書に登場する会津肥後守こと保科正之の徳政                                                               (例えば「追い腹(殉死)の禁止」、一揆の因である飢饉に備え備蓄せよ論、など)の奥に在る、
武士社会に於ける今日的用語で言えば「人権」「民主」(もちろん違うが)に近い思考・・・、取上げられてしかるべきだ。
が、それらの誠実な「学」や「知」や「想」は、国が行なった「愚行」を「なかったことにする」発想からは
決して生まれはしない。 そのことだけは確かなことだ。
「天地明察」によれば、保科正之は、若き日にお役目から「一揆の首謀者多数を処刑した」痛恨慙愧の記憶から、                                                                                              一揆の因そのものを排除する論へと歩を進めたという。
 
夕方、京都へ来て時間がある場合の「お約束」=『彌光庵』へ。
店主は89年に浄土真宗の得度<僧侶になる儀式> を得た女性僧侶、工藤美彌子さん。
下京区寺町四条下ル中之町570  http://www.mikoan.com/index.html  075-361-2200。
美味しい精進料理と生ビール、芋焼酎でぼくは上機嫌。 晴天に恵まれた連休を〆ました。
店のアイドル=子猫(「のど」「はな」)が、かなり成長していて「孫」のようでした。
添付画像【中】は、「彌光庵」への狭く味わい深い入口通路でのパチリ。

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