たそがれ映画談義: 「週刊新潮」的 ジュリア探しの愚

ジュリア探しの愚  ージュリアはいるー
 
先日NHK・BSで、久しぶりに 映画:『ジュリア』を観た。
原作:リリアン・へルマン、 監督:フレッド・ジンネマン、
出演:ジェーン・フォンダ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジェイソン・ロバーズ。
77年アメリカ映画だ。
goo 映画紹介より 】
アメリカ演劇界の女流劇作家として知られるリリアン・ヘルマンが
74年に出した回顧録(「ジュリア」パシフィカ刊)の映画化で、
ヘルマンに絶大な影響を与えた女性ジュリア=アメリカからウィーンに渡り反ナチ地下活動の果てに虐殺される=との
美しい友情とハードボイルド作家ダシェル・ハメットとの愛が描かれる。
ダシル・ハメットを演じたジェイソン・ロバーズ。渋いねえ、ええねえ!
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リリアン・ヘルマンは、マッカーシー旋風吹き荒れる1952年、非米活動調査委員会に召喚される。
同委員会は、ヘルマンと長期にわたって恋人関係にあったダシール・ハメットが
米国共産党員であることを掴んでいた。ヘルマンは、共産党加入者の友人の名前を尋ねられ、
これに対してあらかじめ準備してあった声明を読み上げることによって応えた。
彼女の発言は下記の通り。
たとえ自分を守るためであったとしても、長年の友人を売り渡すのは、
わたしにとっては、冷酷で、下品で、不名誉なことであると言わざるを得ない。
わたしは、政治には興味がないし、いかなる政治的勢力の中にも自分の居場所を見出したことはないが、
それでもわたしは、今の風潮に迎合して、良心を打ち捨てることを潔しとしない。
その結果、ヘルマンは、長期にわたってハリウッドの映画産業界のブラックリストに掲載されることとなった。 【ウィキペディアより】
 
リリアン・へルマンの言葉を年賀状に引用させてもらったことがある。
ブッシュ・ラムズフェルド・チェイニーら「ならず者」どもが始めたイラク戦争と、
安倍の「美しい国」言説に、彼女が生きていたら語っただろう言葉を進呈した。
 『愛国主義とは、ならず者どもが最後に訴える手段のことである』
 
ところで、 ジュリアは誰か?該当者はいないぞ、と騒ぎになったことがあるそうだ。
リリアンの友人に、該当するプロフィールの反ナチの活動家はいない、と。
近似の女性はいるがその人は生きている、しかもリリアンの友人ではない、と。
それがどうした??
ジュリアはいる。リリアン・ヘルマンが生きて来た道程そのものが、親友ジュリアへの返答なのだ!
それが解らないのか?悪意と邪推と嫉妬心満載の「週刊新潮」的ジュリア探しのお歴々よ!
ジュリアはリリアンの分身だ。ジュリアという「人物」 (又は「ヴァイオリン弾き」←http://www.yasumaroh.com/?p=3291) は、
必ず実在する。 断言する。
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リリアン・ヘルマン:1984年没。(「子供の時間」「噂の二人」「逃亡地帯」)
フレッド・ジンネマン:1997年没。(「真昼の決闘」「地上より永遠に」「尼僧物語」「日曜日には鼠を殺せ」「ジャッカルの日」)
ジェイソン・ロバーズ:2000年没。(「テキサスの五人の仲間」「砂漠の流れ者」「トラ・トラ・トラ!」「大統領の陰謀」)
合掌。

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