歌「100語検索」 ⑤<遠>

本日のお題は「遠」。                                                                                                                           「遠」という語からすぐに思い付くのは、ぼくの場合斉藤史さんのこの短歌です。                                                                                                                『遠い春湖に沈みしみづからに 祭りの笛を吹いて逢ひにゆく』

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下記の歌曲・歌謡曲のそれぞれの「遠」は、人麻呂が「遠の朝廷」への入口「嶋門」を通過して抱いた想念にはほど「遠」いのだが、列挙してみる。                                                                                                                                                                   そこには、遠いものへのそれぞれの人の心立ちに棲む、愛憎と自戒と希望と決意が見えて来る。が、                                                                                                     時間・空間・別離・愛惜・民族受難・歴史・スケール、つまり時空…、古今東西、この人麻呂歌の「遠」に匹敵する「遠」には出遭っていない。                                                                              『大王之 遠之朝廷跡 蟻通 嶋門乎見者 神代之所思』                                                                                                                                                                 (おほきみの とおのみかどと ありがよう しまとをみれば かみよしおもほゆ)←  http://www.yasumaroh.com/?p=7444                                                                                           金時鐘さんの『隔たって遠い』という言い回しには、似たものを感じている。

『中央大学:学生歌』(『惜別の歌』) http://www.youtube.com/watch?v=90RhVIwux5k 小林旭                                                                                                            唱歌:『椰子の実』 http://www.youtube.com/watch?v=pr_5DlyWfL4 岩崎宏美                                                                                 歌曲:啄木『初恋』 http://www.youtube.com/watch?v=9uDjESlhcZ8 唐澤まゆこ                                                                                       『家路』(「新世界より」) http://www.youtube.com/watch?v=MCuOTM29dbc&feature=related 某市民合唱                                                                                                                                                     『別れの一本杉』 http://www.youtube.com/watch?v=sczOFEjcwck 船村徹                                                                                                                    『さらば青春』 http://www.youtube.com/watch?v=pccX0l86d7o 小椋桂                                                                                                                     二階堂CM 『遠い憧れ篇』  http://www.youtube.com/watch?v=QZa5NKq7l6g&feature=related                                                        『春よ、来い』 http://www.youtube.com/watch?v=8BP0ji08A4k&feature=related 松任谷由美                                                                                                              『俺たちの旅』 http://www.youtube.com/watch?v=FaiV-cFAIRA 小椋佳                                                                                                   『遠くで汽笛を聞きながら』 http://www.youtube.com/watch?v=Lg8NIweawDo アリス                                                                                                            『遠い世界に』 http://www.youtube.com/watch?v=E_9Q3ddEGvY&feature=related 五つの赤い風船                                                                                                                  『銀色の道』 http://www.youtube.com/watch?v=NTUWcIIembw&feature=related ダーク・ダックス                                                                                                                                        『万里の河』 http://www.youtube.com/watch?v=Gu0QlwDHaQE CHAGE&ASKA                                                                              『サライ』 http://www.youtube.com/watch?v=drBC-s9pOE0 加山雄三・谷村新司                                                             『あぶな坂』 http://www.youtube.com/watch?v=I55y-q4U7Eg 中島みゆき                                                                   『忘れられるものならば』 http://www.youtube.com/watch?v=8JgSjGqNEvw 中島みゆき

品川塾誇大史: 人麻呂の海峡。『遠之朝廷』『神代』そして『嶋門』

嶋門を見れば・・・【古田武彦説を中心に】

以前、韓国への短い旅行をした際、帰路思うところあって釜山からのジェット・フェリーを選択した。                                     気持ちは、半島最南部「伽耶の地」(洛東江両岸、現:金海付近)から、「神代」の人々がやって来たルートの擬似追体験だった。天孫降臨と言われる勢力移動が、このルートであるかどうかは定かではない。                                                                          ただ、「古事記」に書かれている                                                                                                                           「筑紫の日向の高千穂の久士布流多気(クシフルタケ)に天降りまさしめき」                                                   「此地は韓国に向かひて 真木通り 笠沙の御前にして 朝日の直刺す国 夕日の日照る国なり」                                                                           (出自の地と到着の地とを自画自賛しており、降臨の地が福岡県前原市近辺:日向峠近辺だと示している)                                                                                                              との文言から、 伽耶にも「楽浪海中」各島にも勢力を持つ倭人末裔の大挙移動の地は、北九州:博多湾岸のいずれかの地だと確信して来た。

通説(宮崎県・日向・高千穂)への異論:                                                                                  古来、九州全体を筑紫と呼ぶことはない。筑紫は福岡県方面だ。日向は「ヒュウガ」に非ずヒナタ(ヒムカかも)であって、前原市に日向峠あり。その東方にクシフル峰あり。その連なりの高祖山・飯盛山からは、晴れた日には対馬が見える。南九州の日向、高千穂ではまるで見えない。ましてや明治に命名された韓国岳など無関係。伽耶の本拠地たる現:金海に亀旨<クシボン>峰あり。この亀旨峰に、始祖たる六人の童子が降臨したところから始まる伽耶六国の建国神話あり。降臨地名称・降臨形態その酷似をどう見る?                                                                                                   他の案件(魏志倭人伝、邪馬壱国、倭、百済・新羅との関係、倭の五王、倭王磐井への近畿連合王権:継体の側の叛乱、日出る処の天子、白村江の戦、他)も合わせて「北九州:倭」は動かしがたい事実だと考えて来たところだ。 話は長くなるので、詳細は「品川塾:誇大史」を参照あれ。← http://www.yasumaroh.com/?p=1946 さらに詳しくは各種古代史書籍読まれたし。                                                                                                             で、「神代」の降臨ルートと、後代のある歌=柿本人麻呂歌「大王の遠の朝廷と・・・」の原風景を視たくなっての、海路選択だった。

その人麻呂歌についてだけ述べておきたい。                                                                                                                                   『大王之 遠之朝廷跡 蟻通 嶋門乎見者 神代之所思』                                                  (おほきみの とおのみかどと ありがよふ しまとをみれば かみよしおもほゆ)                                                                                                                                                                      通説意訳:                                                                                                  天皇家王権の、遠い地方出先機関である大宰府と頻繁に往来する際 関門海峡を通過しては、                                                      天皇家のご先祖様が瀬戸内海を縦横に行き来なさった往時が偲ばれるのだ。                                                                                 反論:【「遠の朝廷」が天皇家の出先機関なら、各地に「遠の朝廷」が在ってしかるべし。が、万葉では大宰府以外を指す事例無し。また、関門海峡はご存知の通り、長門と呼ばれるほど細く長く潮の流れは速く、まるで大河のようだ。「嶋門」の趣ではない。】                                                                                                            左:線が倭人降臨ルート、黄線は人麻呂「遠之朝廷」訪問ルート。(倭都防衛の「水城」みずき(白に赤線)後方の青丸が「倭都」)                                                                            右:赤線黄線の交差点海上の紫丸域から博多湾方向を望む。湾の手前に構えているのは、倭都の入口「嶋門」左:志賀島、右:能古島                                                                                               (資料作成・写真とも by 2001 yasumaroh) (両資料ともクリックすると拡大します。水城など鮮明になります)                                                                         上記「水城」(みずき)に関してひと言付け加えたいが、次回にする。

                                                                                                                品川塾訳:(上記資料・写真を見ながら構想されたし)                                                                                                          元祖列島覇者=倭王の、遠い(時間的にも)朝廷があった地=大宰府に度々公務で赴く。博多湾に入る際に通る志賀島と能古島の間は、まるで島で出来たの門のようのだ。そこを通るとき、今は亡き倭国の無念を思い、さらに、そのご先祖が半島からやって来られた「神代」(人麻呂がオオクニ出自ならオオクニとアマとの攻防とアマが勝利した「神代」)をさえ思い浮かべて痛いのだ。                                                                                                                                     我もまた、帰属世界を喪ふことの痛切を知る者の一人だから…。                                                                                                注釈:【近畿から来ると長門を越え宗像沖を通り、玄界灘から博多湾に入る際、志賀島と能古島の間を抜けて那の津に至ることになる。二つの島は正に「嶋門」であっただろう。現在でも、添付写真の通り、それは文字通り島の門だ。神代とはいつのことか? 何故「嶋門」を見て神代を想うのか?】                                                                                                                この歌は「大王」の「遠の朝廷」と、その玄関「嶋門」と、その祖先の「神代」と、そして人麻呂自身の故地と、それら全てを、時空を超えて一直線に結ぶ壮大な歌だと思う。                                                                                    可能性                                                                                                                                      ①:人麻呂は「唐・新羅」に滅ぼされた「百済」からの亡命知識人である。                                                                         ②:人麻呂は「白村江の戦」敗北が因となって崩壊した「倭国」出自の歌人である。                                                                                        ③:人麻呂は、はるか昔「倭人=アマ」と覇を争い敗れた「オオクニびと」の末裔である。                                                 

柿本人麻呂が確認されるのは、「白村江(現:錦江)の戦663」(百済・倭連合VS新羅・唐連合)の大敗北、                                                                                                                                             「壬申の乱672」を経て、大海人皇子が政権奪取(天武天皇673~)して以降だそうだ。                                                                                                                活躍し始めるのは女帝:持統天皇の治世(690~)からだと言われている。人麻呂はどこから来たのか?                                                                                                                         何故あんなにもスケールのデカイ歌を詠めるのか、何故倭国の謎を堂々と公に語れるのか・・・?                                                                              人麻呂が、誰もが知る倭国の存在と歴史を公言し、その前史たる天孫降臨の実際を示し、近畿天皇家の正史に楯突く内容を秘めた歌を詠んだのは何故か? 倭国の哀史を強調する奥に、人麻呂の自分史と故地の歴史が重なっているのではないか? 自分たちの歴史的運命を、滅んだ倭国史に重ねたのではないか・・・が、品川塾説。                                                                                                     品川塾では、ズバリ、「白村江の戦」で国を喪った百済からの、その後幾十年に集中して続いた大量の亡命者。その中の亡命知識人。それが人麻呂の実像ではないか、と確たる証明なく空想している。なら、同じく「白村江の戦」が因となって崩壊した倭国への格別の想いも解るところだ。                                                                                上記①②③のいずれかであればこそ、倭国「真」史を散りばめ、本当の神代を示し、海峡を跨ぐ歌を詠めたのではないか?                                                                                             人麻呂にとっては、天皇・ヤマト・そして倭王と倭国までもが相対化されていると言われている。 納得だ。                                                                                                                                                     元祖:越境人、海峡に立つ者のアイデンティティを詠いあげている。現代ならジョルジュ・ムスタキ、金時鐘といったところか・・・?                                                                                                                                   

☆人麻呂は北部九州:「倭国」の歌人だという説も、アマとの攻防とオオクニ敗北の古の史実伝承を知る「オオクニびと」の末裔だとの説も有力。                                                                                                                                     【参考】人麻呂終焉の地は、オオクニ:島根県浜田。【】                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        、                                                                                            

読書: 小論集『日本語は美しいか』。 「美しい国」論との同根性を読む

『日本語は美しいか』(遠藤織枝他、三元社、¥2300)

「日本語は美しい」と主張するこれまでの言い分は「日本語」を母語とする者によって、「日本語」で語られ・書かれて来た。そのことに対して、「いささかアン・フェアだろうが…」と思って来た。それはまるで、ある社(党でもいいのだが)の風土・人心・歴史 etcを、他ならぬその社の社長・役員・従業員、つまり内輪のみで称え合っているような「親バカ」的構図だと思ったからだ。                                                                              はたして日本語は美しいのか? 言語の美しさとは何のことか? また、各言語には備わった醜美の等級などあるのか? そもそも、どうやって他言語の醜美度を測りかつ比較するのか?                                                 本書は「日本語は美しい」なる論の、恣意性・虚構性・いかがわしさの、発生メカニズム・国家や支配層の関与・話し手(母語話者)の受け止め方などを、日・中・韓・ニュージーランドでの調査、歴史・文献などをもとに明らかにして行く。若い(かどうか知らないが)学究者たちの小論文集だ。                                           ぼくのような、日本語に無頓着な、言葉素人にも分かり易い一冊だ。                                

「日本語は美しい」なる説の根拠・来歴は、日本でしか話されない地域言語「日本語」の、虚構の世界性・アジア盟主性を無理にでも確立したい者たちが、母語話者に当然備わっている「馴染み」「愛着」を巧みに利用しそこに「美しい」を加味して推進した構図のようだ。しかも、他言語など知りもしない推進者たちは「簡潔で単一」「澄み切っている」「敬語こそ美しさの根拠だ」と言いながら、「世界に類例のない敬語が乱れている」と危惧してもいる。                                                                                           ならば、澄み切って単一のはずの言語を、アジアに広める任務の教員に見られる各「方言」は困ったものだと、何故嘆いているのか? アジア共通語を画策した者たちが、日本語を「完成」させようと躍起になったのは、実は、それほど、未完成で、多数の方言があり、敬語も各階層で違い、狭い島限定の地域語であることを、推進者自身が承知していたことの証左でもあろう。                                                                                                                                                                                                                                                                あるいは、「簡潔」と言いながら、敬語の「難しさ」を言うが、では、難しさイコール美しさなのか? また、類例がないはずの敬語の格付けが日本語よりうんと複雑なインドネシア語は、より美しいのか?                                                                                                         言語にはそれぞれに美しさがあり、その言語の内部での「美しさ」を磨くしかないのではないか。それは、他者の受容と己の明確な自己主張によってのみ初めて可能性が垣間見える、「自立と連帯」のように難しい。

そもそも、日本語を巡る「美しさ」への心情経路は次のような超飛躍三段論法ではなかったか?                                             『我は、美しいものが好きなのだ。だから、我が好きなものは美しいに違いないのだ。                                                                  我は家族・親類縁者・我が故郷が好きだ、それらの人々・社会が好きだ、その集合体である「ニッポン」が好きだ。                                                                                                          話されている言葉=「日本語」も好きだ。ゆえに、我が好きな「日本語」も「日本」も「美しい」のだ。 文句あっか?』                                                                                                                                                                                                            橋本信吉・金田一・三木清・吉川幸次郎・日夏耿之介、といった高名な学者も、この論の外には居ない。                                                              当時の時局柄か、中国出自の言葉への劣等感を裏返した敵意に充ちてもいる。日本人なるものの構成史のように、列島に「ことば」が先行して原生していたのではないのだから、日本語も何らかの「寄せ集め」であることは自明なのだが…・・・。                                                                                          

「日本語は美しい」なる論が、「美しい国」を標榜した某首相の意図と瓜二つの論理立てで主張されて来た経緯がよく解る一冊だった。敬語や女性言葉も、家父長制を支えるツールの一つだと言えるが、男の学者どもは「敬語を中心にした女性言葉こそはその美しさの根幹だ」とその社会性・歴史性・支配性には、あえて(?)目をつぶっている。                                                                                                                                                       これを超えて、日本語への相対観・距離感を保った上で、他との比較でなく、かつ、何らかの恣意性に与することのない、「日本語」の「個性」にも独自に備わっていよう「美しさ」「繊細さ」「深さ」について、知り学ぶことは大切なことだと思う。それによってこそ、ぼくらは歴史と他者と自身に出会う可能性へと進めるのだから…。                                                                                                                                       我が**は美しい、我が**は愛しい、我が**は素晴らしい、我が………、その親バカ性と排他性。 肝に銘じたい。                                                              ここでも、「切れて」「繋がる」がKEYなのだ。 

品川塾空説:                                                                                                                                                                                  ひょっとすれば、日本語は、海洋系基礎単語身体語・数詞(ヒ・フ・ミ・ヨ)・発音+北方文法+中国・朝鮮の概念語や他の                                                                                                                                                    多くの要素から紡ぎ出されたのではないか? ならば、その合成成立史はすごいことだ。日本人なるものの構成成立史と無関係ではないはずだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                  『楽浪海中倭人あり』の倭人は日本語の原型を話していたか?違う言葉だったか? 卑弥呼はどんな言葉を話してしていたか?                                                                                                                                                                                                            倭の五王は? 隋の煬帝に国書を送った倭国の王=日出る処の天子=多利思北孤=タリシホコ は?                                                                                                          「白村江の戦」では「百済・倭連合軍」はどんな会話を成立させていたのか?                                                                                                      柿本人麻呂の 『大王之 遠之朝廷跡 蟻通 嶋門乎見者 神代之所思』は、本来どのような言葉と音だったか?                                                                                                       【通説読み: おほきみの とおのみかどと ありかよふ しまとをみれば かみよしおもほゆ】                                                                                                                                                                                                                                    日本語の原圏は古代史と離れて語られるべき事柄ではない。 残念ながら、そこが未明なのだ。
                                                                                                                             追記:                                                                                                                    ぼくが、心底美しいと思ったのは、北原白秋『からたちの花』です。「みんな みんな やさしかったよ」…。                                                                                                              日本語が美しいのか、それとも、刷り込まれた日本語浅知識の判断基準に照らして、その中で「これは美しい」と感じたのか…?。 後者でしょう。                                                                                               美しさは、比較しようもない言語種にではなく、言語によって「幻想」される情景・心情・世界を美しいと感じる心に宿るのではないでしょうか?                                                                                                                       その美しさに見合う、あるいは適する「言語」-「発音」「抑揚」「語感」「語順」「構成」であるかどうかは、「日本語」しか知らない者には解りようもなく、ただ「日本語としては」、「知っている日本語の中では」、「この表現、構成は」 美しいのではないか? と思うばかりだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       『からたちの花』 http://www.youtube.com/watch?v=nC9-40wKDfM&feature=related                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

                                                              

歌遊泳: ソプラノ歌手 日本歌曲・唱歌・歌謡曲を唄う

暑い、熱い、あつい。                                                                                                                                                                            避暑には彼女たちの歌唱が一番です。

鮫島有美子  

『故郷』 http://www.youtube.com/watch?v=DVHLIFKGtDc&feature=related 

『冬の夜』 http://www.youtube.com/watch?v=U4CeUBx-5PY&feature=related 

『初恋』 http://www.youtube.com/watch?v=AaCNkJ-DEms&feature=related 

『恋人よ』 http://www.youtube.com/watch?v=JkdAsvXaZhY&feature=related                                                                                                                           『リンゴの唄』 http://www.youtube.com/watch?v=ZVSGSAAQZPw&feature=channel 

『秋桜』 http://www.youtube.com/watch?v=J6-nWsxJeu0

『夜明けの歌』 http://www.youtube.com/watch?v=nFHe1g0SZvI&feature=related 

『ここに幸あり』 http://www.youtube.com/watch?v=XyDfT2MrOoc&feature=related 

『時には母のない子のように』 http://www.youtube.com/watch?v=ojCX8ka-OXU&feature=related 

『喜びも悲しみも幾年月』http://www.youtube.com/watch?v=U5pj60jC_i4&feature=related                                                                                                        『旅人よ』 http://www.youtube.com/watch?v=mnDnWpuXQKE&feature=related

                                                                                                                                                                                                                               唐澤まゆこ  

『この道』 http://www.youtube.com/watch?v=mGCqo9bpsYo 

『待ちぼうけ』 http://www.youtube.com/watch?v=qxP-klxijRw 

『初恋』 http://www.youtube.com/watch?v=9uDjESlhcZ8&feature=related                                                                                                                                                          (『啄木の妻ー節子の「初恋のいたみ」』http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/column-2.html )

 

森麻季

『からたちの花』 http://www.youtube.com/watch?v=nC9-40wKDfM&feature=related 

『千の風になって』 http://www.youtube.com/watch?v=QB61ofvLrOU&feature=related 

 

佐藤しのぶ

『早春賦』 http://www.youtube.com/watch?v=zrCSwQJimuk                                               『荒城の月』 http://www.youtube.com/watch?v=NdW9VpjlJNY&feature=related                                                                                               『この道』 http://www.youtube.com/watch?v=s8LjXlieY4I&feature=related                                                                                                                                                                                                                                           

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

 

歌「100語検索」 ④<時>-1 「時代」

時代

時代に関する言葉・・・

誰もが危機を感じ取れなくなったときに、本物の危機が始まる。(塩野七生)                                                                                                                                 *ある時代において目新しいものは、その二世代前に流行ったものの復活版にすぎない。(バーナード・ショー)                                                                   *名言のない時代は不幸だが、名言を必要とする時代はもっと不幸だ。(ベルトルト・ブレヒト)                                                                                 *時代に没頭していては時代を批評する事が出来ない。(石川啄木)  『何もかも行末の事見ゆるごときこのかなしみは拭ひあへずも 』                                              

『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=D11Bs_7G1rY&feature=related 中島みゆき1975                                                                                                                 『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=I81JX55QfOk&feature=related 研ナオコ                                                                                        『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=N2WjFzBEYvs 薬師丸ひろ子                                                                                         『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=ZKhvbKMbayg&feature=related 夏川りみ                                                                                        『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=Z1RzSEBKLt8 徳永英明                                                                                              『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=df48XL4PLCs&feature=related  Hayley Westenra                                                                                                             『時代』 http://www.youtube.com/watch?v=LQ9cJ6NdTUE&feature=related 中島みゆき                                                                                                            『少年時代』 http://www.youtube.com/watch?v=SqUA_UQsKE4 井上陽水                                                                                                      『学生時代』 http://www.youtube.com/watch?v=7FLZmzP7LmA ペギー・葉山                                                                                                                   『青春時代』 http://www.youtube.com/watch?v=-YOhA60bJ7w トップギャラン                                                                                                     『同棲時代』 http://www.youtube.com/watch?v=IGCOrHt04nw 大信田礼子                                                                                    『時代おくれ』 http://www.youtube.com/watch?v=qSw05db92BI 河島英五                                                                                                                                                          『いく時代かがありまして』 http://www.youtube.com/watch?v=30hq6L-ujtU 加藤登紀子                                                                          『時代おくれの酒場』 http://www.youtube.com/watch?v=axzg1R9pS54 高倉健                                          『みんな夢でありました』 http://www.youtube.com/watch?v=N4RaoKh7K2w 森田童子                                                                                         『カサブランカ・ダンディ』 http://www.youtube.com/watch?v=PxT4-8AGfek 沢田研二                                                                                                    

もちろん、いくつかの歌には異論も苛立ちもある。けれど、例えば、『時代』。                                                                                                                                                                                                  この歌が、若い人たちに、「あんな時代もあったねと」「笑って話」すことなど出来ない人々=他者の痛切の個的公的記憶を                                                                        忘却させてしまう力を備えているとしても、それはみゆき姉さんのせいではありません。 

池田浩士:                                                                                           『ひとつの事件を、被支配者たちは個別性から解放し、それに歴史性を付与することができる。歴史性とは、自分とは異なる位相で                                                                        抑圧にさらされている他者への視線を、現在・過去・未来にかんして獲得しうる、という可能性である』 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

歌「100語検索」  ③<夜>

20年前…。  酒が進み酔うと必ず浜田省吾の『もうひとつの土曜日』を歌い、最後には泣き崩れるSという後輩がいた。                                                                  10歳近く年長の、夫と別れ高校生の子も居る女性への痛々しい恋だった。周りは「実らぬ恋に、恋してるんだ」とあまり本気にしなかったが、不思議にもぼくと女房は、その女性と後輩Sのファンでもあったので女房など青年啄木に接する晶子気分ではなかったか?と思う、痛々しい恋に付き合うこととなる。その恋は、その女性がある男性と一緒になることで、「予定調和」的(?)に敗れるのだが、浜田の透き通った歌唱を聞く度に後輩Sの原形のような恋の気分が押し寄せて来る。人の恋路に声援を送ることなど、この時以外、後にも先にもないことだった。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         恋・・・、人は何故あんなにも一途になれるのだろう。                                                                                                                                          度し難い「視野狭窄」・我への没入、究極の身勝手・「私利私欲」が、そのまま比類なき「無私忘我」・奉仕でもあるという逆説的時間。                                                                                                                                                                      不思議な事態だ。詩人の営みの「ふるさと」、遠い原初の出生地もこの界隈ではないだろうか?

本日のお題は「夜」。 それぞれの「夜」は、もちろん後輩Sの「恋」よりは人生の蹉跌にまみれている。                                                                                                                                    50代半ばに差し掛かった後輩Sの「夜」はいかなる相貌をしていることやら・・・。 久しく会っていない。

『さすらい』 http://www.youtube.com/watch?v=826uPeLW-4A 小林旭                                                    『真夜中のギター』 http://www.youtube.com/watch?v=V74KZEf2alo&feature=related 千賀かおる                                                                                                  『見上げてごらん夜の星を』 http://www.youtube.com/watch?v=eLmhRMl4kJk 坂本九                                                                   『夜明けの歌』 http://www.youtube.com/watch?v=n2p03Tx9EPs 岸洋子                                                                             『夜霧のブルース』 http://www.youtube.com/watch?v=pENmIDtJ4Do&feature=related ディック・ミネ                                                                                                             『夜霧の慕情』 http://www.youtube.com/watch?v=7oC5Gbac3eU 石原裕次郎                                                                             『夜霧よ今夜もありがとう』 http://www.youtube.com/watch?v=3uctHkc3It 石原裕次郎                                                                                            『15の夜』 http://www.youtube.com/watch?v=AiD78w0AqeQ 尾崎豊                                                                                     『イヨマンテの夜』 http://www.youtube.com/watch?v=Q2odR2ccZFs 伊藤久男                                                                                                            『夜風の中から』 http://www.youtube.com/watch?v=hZXDHCVmc3Q 中島みゆき                                                                   『もうひとつの土曜日』 http://www.youtube.com/watch?v=XZWuTd3ItBo&feature=related 浜田省吾                                                                                                  『君が、嘘を、ついた』 http://www.youtube.com/watch?v=v5rT3axq1EY&feature=related オフコース                                                                                     『夢は夜ひらく』 http://www.youtube.com/watch?v=sngqSw63eE4&feature=related 藤圭子                                                                                                                 『赤坂の夜は更けて』 http://www.youtube.com/watch?v=4NzyRn8U8z8 西田佐知子                                                             『長い夜』 http://www.youtube.com/watch?v=f8GDv9iYjwM 松山千春                                                                     『リバーサイドホテル』 http://www.youtube.com/watch?v=E7TCf1csQeQ 井上陽水                                                                                                                                                                                            『夢一夜』 http://www.youtube.com/watch?v=tnTqewSREv4 南こうせつ                                                                                          『夜明けのスキャット』 http://www.youtube.com/watch?v=gaLFGctaKyM 由紀さおり                                                                                               『雨上がりの夜空に』 http://www.youtube.com/watch?v=oIBBbprepQg 忌野清志郎                                                                                            『抱きしめたい』 http://www.youtube.com/watch?v=8CHvfSHogBk Mr.Children                                                                            『アザミ嬢のララバイ』 http://www.youtube.com/watch?v=aZUp8MUmM-g&feature=related 中島みゆき

                                                                                                                        

歌「100語」検索。 ②<空>

先週、取引先のある女性社員が退社した。彼女は、ぼくの社への仕事発注の窓口の一人であり、何度か仕事をいただき、現場の労苦を共有した間柄だ。永年考えて来た「やりたいこと」に転進するそうだ。                                                                                                             是非送別会に出席したかったのだが、現場事情で果たせなかった。                                                                        伝え聞くところでは、彼女は送別会の最後の挨拶で 空のようでありたいです。だって、歌の歌詞でも空だけは特別でしょ、いつも人間の夢や希望を表している。そんな言葉は他にありません」 と語り、続けて、号泣して仲間への感謝を述べたそうだ。実際、その会社は「仲間」意識「共助」風土が生きている今どき稀な会社なのだと思う。                                                                               

彼女には特別の思い出がある、2年前のことだ・・・。当時、確か27歳だと聞いた記憶がある。                                                                                                       ぼくが「大人を示そう」と柄にもなく無理をして、我が半生(おっと4/5生だが)でたぶん唯一の、「大見得」を切って演じた「品川ジジイ:奮闘キザ篇」の一幕だ。 施工引渡しの日、お施主様・元請担当者である彼女・総合下請会社の管理者ぼく・現場施工の各工事者、皆が笑顔で「出来映え」に納得して談笑していた。と、彼女が施主から別室へ呼ばれた。嫌な予感・・・。                                                                                                                                                                                                                         数分後、彼女が沈んだ表情で出て来た。打合せや施工に不備があったのだろうか、別室で施主側担当者から詰め寄られたようだ。                                                                                                       やがて彼女はこちらへやって来て、泣き顔で言う。                                                                                                  「品川宿さん、すみません。出直しになりますけどやって下さい。図面確定後に、ドアがギャラリ付き(通気の為)に変更になっていたのです。それを私が伝え忘れてました、ゴメンナサイ。」                                                                                                                                              口頭約束は、図面化または書類化しておかないとこうなる。その穴埋めは安くはない。小さく短工期の現場ほど、それが抜けてこの種の失敗が起きやすいのだ。かく言うぼくにもこの種の失敗は山とある。今回、取り返しの付かない重大ミスではなかったのが不幸中の幸い。
3日後にドアを実費の半額(つまり当方も負担)で取り替えることとし、帰路、駅のガード下の居酒屋での「ちょっと一杯」と相成った。

「私、この仕事に向いてないみたい。キャリアもないし、思い違いや失敗ばっかり。品川宿さんにも迷惑かけてしまい申し訳ありません。仕事の成約に汲々として、押さえるべきいろんなことがしょっちゅう抜けてしまうんです。 ワタシ、最低!」。                                                                                                             ここで、品川ジジイが、下心ゆえにでもなかったのだと信じて欲しいがキザな迷セリフで「人生を語る」(?)わけだ。                                                                        品川ジジイは、労組運営・労組による会社経営ではついぞ出来はしなかった姿勢、その欠落・空白を埋めるように、歯の浮く科白を吐くのだった。                                                                                                                                                    「思い違いや失敗の数こそが、(現場施工の)この仕事の蓄積、つまりキャリアです。もし、ぼくに、あなたより多く持っているものがあるとすれば、それは思い違いと失敗の数だけ。心配ご無用。あなたは今日、確実にひとつのキャリアを積んだのです。」(臭)。{けど、本心ですよ}                                                                          真っ赤になった女性社員の目は潤んでいた。                                                                 (品川ジジイは、一度やってみたかった、篠原涼子登場のオリックスCMの上司的役回りを、ぎこちなくとも精一杯果したという訳だ。)                                                                                                                       

一年後、彼女は連続して女性トップの成績を上げ、部下を三人持つ立場になって行く。その彼女が先週退社した。よほどの「やりたい」ことがあるのだろう。 それとも・・・。                                                                                               が、彼女ならきっと乗り越えて行くだろう。そのうち、ゆっくり呑みたいものだ。                                                                             ***************************************************************************************************

 本日のお題は「空」。17曲にもなってしまったが、確かに「空」は特別です。                                            

                                                                                                   『悲しくてやりきれない』 http://www.youtube.com/watch?v=8JG0S9v2Yg4 おおたか静流                                                                            『青空』 http://www.youtube.com/watch?v=yXrj2DyJhlQ ザ・ブルー・ハーツ                                                                『雨が空を捨てる日は』 http://www.youtube.com/watch?v=5YwbH38eh8g 中島みゆき                                                                          『空に太陽がある限り』 http://www.youtube.com/watch?v=Z2B1tVf_5fA にしきのあきら                                                    『紅の翼』 http://www.youtube.com/watch?v=hBB9fNzmCy4 石原裕次郎                                                                                     『夢をあきらめないで』 http://www.youtube.com/watch?v=PW_kP5uwp7A 岡村孝子                                                        『熱き心に』 http://www.youtube.com/watch?v=_rxCSH43QT8&feature=related 小林旭                                                                         『異邦人』 http://www.youtube.com/watch?v=cIsCifnFy9Y 久保田早紀                                                                     『島人ぬ宝』 http://www.youtube.com/watch?v=h9Lg3dHFfsM BEGIN                                                                  『学園広場』 http://www.youtube.com/watch?v=ap-UabxvIR0 舟木一夫                                                           『赤い風船』 http://www.youtube.com/watch?v=VDpExFJNVRI 加藤登紀子                                                                    『星空のディスタンス』 http://www.youtube.com/watch?v=3ZaRYf2ebyA アルフィー                                                  『星屑のステージ』 http://www.youtube.com/watch?v=3E0uI2WZZTo チェッカーズ                                                               『翼を下さい』 http://www.youtube.com/watch?v=34JsHTl9oFU&feature=related 赤い鳥                                                                      『空も飛べるはず』 http://www.youtube.com/watch?v=h-kQw4JqCHE スピッツ                                                         『この空を飛べたら』 http://www.youtube.com/watch?v=Gyh4Q7y7YME 加藤登紀子・中島みゆき                                                             『芭蕉布』 http://www.youtube.com/watch?v=StMZxCpre-k 夏川りみ                                                                                                             *添付画像は、1956年:フランス映画 アルベール・ラモリス『赤い風船』より

歌「100語」検索。 ①<河・川>

川・河                                                                                                                              

Kと呑んだ夜、隣の席の男が、カラオケでたまたまその歌を歌い始めて、                                                                                                                              『深夜放送から流れるこの歌の歌詞に、ある川の名があったんや』とKの話は始まった。                                                                                                    『それは何度か聴いていた歌だったが、広く知られるようになって日も浅く、俺は川の名前までは知らなかった。その時、彼女はその場の危機をかわすように、「あっ、○○(街の名)だ」と言ってラジオに耳を傾けた。その10数年前、彼女が住んでいた街の名を口にしたんや。会話は途切れ、俺の動きが制された。                                                                                                                                                                       女生徒だった彼女の日々を想像して、俺はふと我に返った。                                                           翌朝、俺は大雨の中を猛スピードで帰宅したのだが、約束の時間を20分も過ぎていて、妻と二人の子はもう保育所へ出かけてしまっていた。                                                                                                                                                                                                                     その大雨の中、保育所へ急ぐ途中に横転して子二人と共にずぶ濡れになったと妻から聞かされた。やがて放り出された。別れた女房は同じ職場に働き続け、子二人はとっくに独立して、もう孫もいるよ。』                                                                         『この歌を聴くと、今も、その街の名・その川が流れる街の女生徒だった時期の想像の彼女・大雨・ギリギリまで待っていただろう妻・ずぶ濡れた妻と二人の子の姿が浮かぶんや。大事故にならなかったのは何よりだが、この歌、どうもいけません』                                                                         とKは苦笑した。30年は永いのか短いのか・・・。  

ぼくと同い歳のK。永い独り暮らしの不自由に、何故か次々相手を見つけ、「楽しんでるよ」と言い続けた虚勢にも、ようやく陰りが見える。                                                                    永い付き合いで、その日初めてこの話を聞かされたということが、何よりもそれを雄弁に物語っている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          主観的には、別れた妻とも、二人の子とも、その川が流れる街の元女生徒だった去ってしまった彼女とも、「切れて」「繋がる」「生」を生きたいと生きたKの30年だったのだろうとは思うが、相手からはとうに切られているのだ。 Kの方では身勝手にも流れることなく、なお澱んで留まっているとでも言うのか? 全ては、川のように流れ行くばかりではないと言うのか?                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

                                                                                                                                                                                     『河は呼んでる』 http://www.youtube.com/watch?v=h0qg8-Sp3X8 (同名フランス映画主題歌)                                                                                           『イムジン河』 http://www.youtube.com/watch?v=GOFFjpyVmvI キム・ヨンジャ                                                                                                 『川は流れる』 http://www.youtube.com/watch?v=D6xqNUHpW34&feature=related 仲曽根美樹                                                                          『北上夜曲』 http://www.youtube.com/watch?v=cpOunPFAMsk マヒナスターズ                                         『船頭小唄』 http://www.youtube.com/watch?v=CVwG3MAS8CE 森繁久弥                                                                                         『神田川』 http://www.youtube.com/watch?v=jNxm4euZ52o かぐや姫                                                                                              『千曲川』 http://www.youtube.com/watch?v=j8G1lhBOxBM 五木ひろし                                                                             『青葉城恋歌』 http://www.youtube.com/watch?v=69cGLlcfH3U&feature=related 佐藤宗幸                                                                              『雪国の町』 http://www.youtube.com/watch?v=AnGy9PZIoII 石原裕次郎                                                                                            『川の流れのように』 http://www.youtube.com/watch?v=3wmIrAFKLs0 美空ひばり                                                                       『織江の歌』  http://www.youtube.com/watch?v=lsNTZ3SWqdc 山崎ハコ                                                                             『黒の舟唄』  http://www.youtube.com/watch?v=DXhdgOI_tXk 野坂昭如                                                                           『すべての人の心に花を』 http://www.youtube.com/watch?v=FPGMsifqRgg&feature=relate おおたか静流                                                                                                                                                                                                                        

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」方丈記

                                                                                                                                                   

つぶやき: 菅直人の勘違い

「菅直人の勘違い」と同質のものは、ぼくやぼくの周りにも在る。

参院選を終え、菅首相は敗因について、消費税に関する提起が「唐突だった」「説明不足だった」などと釈明している。                                                                              元々「唐突」という「表現スタイル」は、ぼくらの日常においても、自己過信または相手軽視または対話忌避を背景に現出する。菅首相を「正直すぎた」などと庇う向きもあるが、この元・市民運動家は、市民「運動」はしたが「市民」ではなかった者に染み付いた本性が露呈したと言っては失礼か?                                                                                                                 よくあるのだ・・・、生産現場も営業の労苦も会社運営も経営の困難苦渋も資金繰りの悲哀も知らない「経営学者」、教育現場・子供の実際に触れることもなく教育を語り教師を攻撃して空理空論を説く「教育博士」など…。                                                                                                                               ぼくが経験した世界では、労働現場体験の全くない労働組合運動本部の「幹部」、倒産することのない職場に居て、各種リスクを背負って組合結成する者の、首を賭けて争議に臨む者の、その不安と覚悟を軽んずる「強気一辺倒」の「原理主義」労働運動の安全地帯「戦士」、全体を考察し扱う「党」に居るのだから、全体を把握・理解していて当然だと勘違いしている「党」専従の若造……。                                                                                       ところが、いわゆる経験や現場性「至上主義」が、これまた過信と決め付け思考を育むから厄介だ。何事も「切れて」「繋がる」、その往還…。                                                                                 難しいことだ。

 菅の過信対応が敗れたのであって、政権発足当初のスローガンへの期待は生きている。

 税に関して「消費税」アップが必要だとする菅首相の言い分は、一面の正論ではある。                                                                                                  税・医療保険・社会保障費(年金・雇用保険他)の総負担と給付・受益との整合性や、諸外国の水準・経験なども参考にした試行錯誤の上に論議されて当然で、必ずしも「消費税、絶対悪」ではないことは自明だし、日本が個人の総負担が度外れて多いのではないことも事実だ。国家を維持運営するのコストは民(企業も個人も)が納得を前提に負担するしかない。                                                                                                                       税の全体と使い方を再設計すべきであるというのは確かにその通りだ。                                                                                                                                                                                                    けれども、税の使われ方・医療や年金・教育や育児・年金制度などの論議と改革が半端な、しかも一方で「子供手当て」がスタートする中で、なおかつ国政選挙前に言うべきことか! 国会論議・閣内論議・党内論議さえなく・・・。これではまるで、彼が「しばらく大人しくしているべきだ」と名指しした人物の手法ではないか!                                                                                                          そこには、持論への「過信」と「解ってくれるはず」という「思い込み」と、選挙民への「軽視」が在ったと思う。さらには脱・小沢なる政治的思惑も…。                                                                                  加えて、普天間-辺野古問題、日米同盟の見直し からの逃避が見え隠れしていた。今回の敗北は当然ではないか? が、間違っても「大連合」へと流れてはならない。                                                                                                                                      選挙民は、比例区では 民主:1837万 自民:1402万。選挙区では立候補数もありそれ以上が 投票したのだ。決して大敗ではない。 新聞の「惨敗」論調でしょぼくれるのではなく、行政の無駄排除、箱物公共事業見直し、天下り構造改革、コンクリートから人へ、派遣法改正、年金制度改革、子育て支援、日米同盟の再検討・・・当初に言ったことを 【リ・スタート】すりゃいいのです。その為に、政権をいわば「左」から支える存在や、労働運動・社会運動・市民運動が是非とも必要な局面と思うが如何?う~ん

つぶやき: 9条改憲阻止の会ニュース 転載

2010年7月12日 第61号

 

参院選は終わったが普天間基地移設問題は出直しだ

 

■ いつもよりは苦渋に満ちた顔の菅首相の記者会見を見ていた。彼は参院選挙の敗因を「消費税を持ちだしたことが唐突だったという印象を与えたのではないか」と述べた。選挙直前に消費税増税問題を持ち出したことを敗因として認めている。彼が弁解がましく持ち上げていたのはギリシャ問題であった。ギリシャの財政赤字問題を他山の石とすべきだというのだ。こういう手法そのものが政治主義的である。ギリシャの財政赤字問題と日本の財政赤字問題は同じようにみえても大きな差異がある。現在のような管理通貨体制のもとではどこの国家も財政赤字を抱えるが 

その国の経済的力の基盤とどう関係しているかで意味は異なる。ギリシャの場合は経済力に見合わない過剰な国家財政であり、赤字で信用を失えば継続的な資金調達は不可能になるということだ。EU諸国などの財政支援を不可避とする。日本も膨大な財政赤字であるが、その意味する国債(国家の借金)が自国の経済力とのバランス(均衡)はまだ保たれているのであり、ギリシャのように危機になることはない。そこを無視した財政再建(消費税)議論は唐突すぎるし、思いつきの域をでない。丁寧な説明が不足していたというよりは、問題の理解そのものが不足していたのだ。これには普天間基地移設問題などを選挙の争点から隠そうとした焦りがあったのだ

 

    普天間基地移設問題での旧政権の日米合意{辺野古新基地建設}に決断した理由に鳩山は朝鮮半島での緊張とアメリカ海兵隊の抑止力を挙げていた。鳩山が哨戒艇の沈没事件をめぐる朝鮮半島の緊張を持ち出してきた時の唐突さと、菅がギリシャ問題を持ち出す唐突さは類似している。政治主義的な手法だ。これは簡単に通用しない時代であることを菅や民主党の面々は理解すべきである。参院選挙の重要な争点であるべき普天間基地移設―日米関係見直し問題は首相の交代劇で巧みに隠された。だが、8月末には辺野古新基地の場所や工法が決定される。これで一件落着か。そんなことはあるまい。ここから次のステージの戦いがはじまるだけのことではないのか。「日米同盟―抑止力」という曖昧な言葉がマスメディアでは踊り、挙句の果てに「仕方がない」という言葉が勝手に流されるのかも知れない。あきらめなさいというわけだ。僕らはこの問題はそれこそ、スタートラインにあると言いたい。僕らはこの問題の歴史的意味や展望、積み重ねてきた運動の反省に立ちながら次を準備していくしかない。8月末の日米合意に基づく辺野古新基地の場所や工法の決定を注視し、反撃を準備して行こう。        (文責 三上治)

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