極東共和国異聞 クラスノシチョーコフの見果てぬ夢

極東見聞隊さま
諸兄はご存知だと思いますが、残識のワシは寡聞にして
ようやく数年前に、クラスノシチョーコフを知りました。
1920年3月誕生、1922年11月19日まで存在した「極東共和国」は、
ロシア革命に対する列強の連邦包囲・干渉(主に日本のシベリア出兵に)に対して、
ボルシェヴィキ政権が緩衝地帯として編み出した詐術的・人口的国家です。
が、議会制度・複数政党制共和議会・少数民族議席枠・言論出版の自由等基本的人権・反政府労働組合の容認などを
実践し、短い生涯を終えるロシア革命と世界情勢の力学が産み落した鬼っ子だった。
けれども、当時のプロレタリア独裁と複数政党主義、革命と議会、革命下の各相の自由など、根本問題に挑んだと聞きます。
その初代大統領:アレクサンドル・クラスノシチョーコフとその仲間の取組みにムチャクチャ興味あります。
当地の民族・文化・歴史に根ざした独立論ではなく、いわば「外」からインテリたちが注入した「夢」であり、
「満州国」に「五族協和」の夢を託したいわゆるインテリ「満州浪人」とは別の政治思想であっても、
その錯誤にどこか通底するものを感じるのはワシだけかもしれない。
もう伝承さえ残っていないだろう、彼らの幻の夢共和国の痕跡を見つけたら持ち帰って下さい。

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