つぶやき:武器

武器:ハンガリー動乱の逸話。  
迫り来る革命

 

 

1956年10月、ブタペストに侵攻したソ連軍に逮捕された老紳士。KGB役人が言う「もう武器は無いか?あれば出せ、もし、再検査で発見されれば・・」。老紳士が内ポケットに手をやる。役人が息を呑んで見守る。そっと出されたその手には、一本のペンが固く握られていた。

この老紳士こそ、71歳になる、反官僚主義・反教条主義・反スターリン主義を貫く老マルクス主義思想家、ジョルジュ・ルカーチ(ハンガリー読みジェルジ)その人である。もしそのペンが武器だったとすれば、レーニンは一九一七年に、同じペンを持っていたとジジェクは書いている。 
(岩波書店:スラヴィオ・ジジェク著、長原豊訳:『迫りくる革命』序文より)

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