通信録: 思潮社 北川徹氏・金時鐘さん・細見和之氏 往復書簡公開

『現代詩手帖 2014年11月号』に、

「金時鐘+北川透+細見和之 『往復書簡』」が ◎特別掲載されている。10629649_602588209853311_6741869424616038534_n[2]2012年、「第三回鮎川信夫賞」で細見和之氏の『ディアスポラを生きる詩人 金時鐘』が最終選考に残ったが、受賞を逃した。北川透氏が賞の贈呈式で講評を行い、その内容は『現代詩手帖2012年8月号』に掲載された。一部を抜粋する。

『金時鐘さんはついこの前まで、北朝鮮を評価していました。』『細見さんが取り上げている「新潟」という詩集は、社会主義リアリズムの典型を書いた、と本人が言っている詩集です』『金時鐘さんは』『影響力のある知識人ですね。その場合の思想の責任。これは北朝鮮で抑圧されている人びとに対する責任、という問題まで含むわけです。』『一人の在日の、非常に困難な思想の歩みを強いられた詩人が、そこで過ちを犯す、矛盾したことを書く、十分に説得力のない発言をするということは、ある意味では当然のことです。』

この事実誤認・個人史の歪曲に、もちろん細見氏も金時鐘さんも、北川氏と思潮社に抗議書簡を発したが、誠実な反応はなかった。(2014年3月3日現在)。

 

 

この経過を知ったぼくは『ムラと、ある名誉毀損』なる一文を書き、細見氏・金時鐘さんにお伝えした上で、ブログにアップし、知人友人に送付し、同じものを思潮社ホームページ読者コーナーに投稿した(2014年3月7日)。読者として、精一杯思潮社の出版社としての誠意を求めた。

http://www.yasumaroh.com/2014/03/07/%e3%83%a0%e3%83%a9%e3%81%a8%e3%80%81%e3%81%82%e3%82%8b%e5%90%8d%e8%aa%89%e6%af%80%e6%90%8d/

 

その後の細見氏・金時鐘さん・北川氏・思潮社の遣り取りの詳細は知らない。知らないが、今回11月号に3人の『往復書簡』が掲載されたと時鐘さんから便りを頂いた。

北川氏は「訂正はありえても謝罪は絶対しない」との基本姿勢は変わってはいないのだが、ここは、思潮社の良識を観るべきだろうか?少なくとも、細見氏・金時鐘さんの「言い分」が「公」にされたのだから。

 

『現代詩手帖 11月号』をどうぞ。

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