「集団的自衛権行使容認」に抗議して焼身自殺未遂

 【朝日新聞より】

29日午後2時すぎ、西新宿1丁目のJR新宿駅南口付近の歩道橋上で、男性がガソリンとみられる液体をかぶり、ライターで火をつけた。男性は病院に運ばれたが、顔や手足にやけどを負う重傷。直前に集団的自衛権の行使容認などに反対する演説をしていたという。

 

新宿の焼身自殺未遂事件に関して、その方法論への異論、生きて運動・主張に取り組むべきだ等々、FB上で様々なご意見を拝読した。その通りだとは思う。
一方で、「彼の方法は彼のものだ」と言おうと思ったら、何故か映画『グラン・トリノ』(2009年、監督主演:クリント・イーストウッド)のラストシーンを思い出していた。方法論の是非に言葉を費やせば費やすほど、彼の心の核心から遠ざかるような気がして・・・。sinizama

主人公(イーストウッド)が街のチンピラに殺されること承知で「丸腰」で出かけ、承知していた通り殺される。  長くなるので、詳細は書けないが、朝鮮戦争で、降伏の意思を示している相手を多数を殺し勲章まで手にした過去への拭えぬ慚愧の念、言葉(道理)が通じない相手を撃つのではなく相手に撃たせること、自身のどこかに在るかも知れないと疑っているアジア人への偏見の克服(チンピラに痛めつけられていた、チンピラと同族の若い隣人との友情)、出来ればアジア人に殺されることで「落とし前」を着けたかったこと、などを、「主観的」には成し遂げて主人公は死んでゆく。
新宿の事件当人の行動と何の関係も無いが、この映画を思い出した。「言葉(道理)が通じない相手を撃つのではなく相手に撃たせる」風だったかもしれない。
断っておくが、ぼくには焼身自殺を賛美する気はいささかもない。
言いたいことはひとつ、「彼の方法は彼のものだ」。

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