言語、話者人口、公用語、グローバリズム。  そして『バスクにて』

人の口から発せられる言語には、民族・民俗・伝統・歴史・文化・習慣・儀礼・死生観・宗教などなど・・・が宿っている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                              それぞれの独自言語には、グローバリズムに抗う精神への可能性と、介在する「国家」の規模や方向性に翻弄される「ナショナリズム」への病理とが、同時に棲息している。

世界で、日常会話に用いられる言語の話者数トップ20は以下の通り。                                                                                                         ①中国語8億8500万人(北京語+近似語) ②英語5億1000万人 ③ヒンディー語4億9000万人(インド) ④スペイン語4億2000万人                                                                                         ⑤アラビア語2億3000万人 ⑥ベンガル語2億2000万人(インド、バングラデシュ) ⑦ポルトガル語1億7000万人 ⑧ロシア語1億7000万人                                                                                           ⑨日本語1億2500万人 ⑩ドイツ語1億人 ⑪広東語8000万人(中国) ⑫ジャワ語7550万人(インドネシア) ⑬朝鮮語7500万人                                                                                                                                                                                           ⑭フランス語7200万人 ⑮福建語7000万人(中国) ⑯ヴェトナム語6700万人 ⑰テルグ語6800万人(インド)                                                                                                                                                                                                                        ⑱マラーティー語6500万人(インド) ⑲タミル語6300万人(インド) ⑳トルコ語6200万人                                                                                                                                                                                                                                       以下 ウルドゥー語6100万人(パキスタン他) イタリア語6100万人 ペルシャ語5000万人超 と続く。

ところで、バスク語(バスク人とは系統不明の民族で、イベリア半島のバスク地方に分布する。バスク語は現存するどの言語とも系統関係が立証されていない孤立した言語で、インド・ヨーロッパ語族以前の古言語を引き継いでいるとも言われる)、カタルーニャ語、シチリア語、ボスニア語、                                                         チェチェン語、クルド語、フィンランド語、チベット語、済州語、琉球諸語、アイヌ語などの運命や如何?722285_1338764164[1]

誰だ、日本語「だけ」が「美しい」と言っているのは。                                                                                        誰だ、グローバル経済言語こそが、世界を繋ぐとほざいているのは。

上図はバスク地方の位置。右は有名なバスク人たちの肖像。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      作曲家:モーリス・ラヴェル(『スペイン狂詩曲』 『ダフニスとクロエ』 『ボレロ』)やエルネスト・チェ・ゲバラらがいる。                                                                                                                                   かのツィゴイネルワイゼンの作曲家:パブロ・デ・サラサーテもバスク人。 おっと、チリの反ファシズムの国民的詩人:パブロ・ネルーダも、チリ元大統領:故サルバドール・アジェンデも、バスク人。                                                                                                                                          ( チリ・アジェンデ政権:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%87 )                                                                               現在バスク地方に270万人。海外居住バスク人が1500万人。                                                                                      (参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%BA%BA )                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             海を越え、境界を跨ぐバスク人。ヨーロッパの片隅の狭い地域で「バスク独立」を訴えるバスク人。少数民族の矜持と、グローバリズムへの刃と弓矢、反転して照らし出すべき真性グローバルを構想する者の光が放たれている。                                                                                                                           琉球諸語や在日朝鮮語に、同じ光が見える。 金時鐘の詩の世界性もそこに在る。                                                                                                                             スペイン市民戦争時、フランコ反乱軍を支援するナチスが、史上初と言われる都市無差別爆撃を行なった「ゲルニカ」とは、バスク自治州 ビスカヤ県の都市。何故ナチスがそこに定め、フランコが何故それを承認したのか? 明らかだろう。

*『バスクにて』                                                                                                 昔、友人でもある詩人:S・K氏が限定300部の詩集を出した。記憶では、N0:5の印付だったと思う。タイトルは『バスクにて』・・・。                                                                                         当時、「バスクにて」に込められた、個的・私的世界の極点を目指し歩む者の孤路と、だからこそ逆に、世界性・全体性を構想する者の悲哀とでも言うべき「見果てぬ夢」の同在性、その彼の格闘の意味を軽視してしまった。その悔情を含め「バスク」への恋情が込み上げてくる。                                                                                                                                                        「少女よ 私に 道を訊くな。 私は 世界の 極北に棲む者だ。」だったか・・・。                                                                  S・K氏はぼくたちの争議、職場バリケード占拠闘争に都合が許す限り恒常的に泊り込んだ盟友である。ここ10年、音信不通だ。

 

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