ぼやきでは終われないぜ: 元知事の正体

強引な庁舎移転計画失敗の大損失を隠すために、次々繰り出す「攻撃的言辞」

TVニュースに登場している橋下大阪市長(知事時代からの)の、敵を作り出しその欠点や不備だけを一方的に責め立てる手法にウンザリしながらも、またしても画面に向かって反論していた。例によって「生活保護不正受給」の話だ。長妻昭、民主党副幹事長(元厚労相)が相手だった。                                                                           彼は言う。貴方のような国の機関に座っている役人は、不正受給を摘発するに必要な「摘発した不正額を上回る」費用と戦力を割かれる職員の貴重な時間など、我々現場の苦労を解かっていない。摘発した金額は自治体に回収義務がありそれを前提に国からの次の支給額から差っ引かれる。自治体が一方的に負担を背負うことになり、じゃあ摘発なんか止めておこうとなる。そうでしょう? このように何かにつけ政府は形式主義、馴れ合い、無駄ばかりなんです、と。言動と実際の行政運営には職員不信を公言しながら、ここでは「我々現場云々・・・」と場所移動だ。弁舌の巧みさと言うか一種の技術だ。                                                                                                                                                                                          この摘発を巡る指摘は正しいというか「その通り」だが、長妻氏がその構造に無知である訳はなく、こういう論難スタイルはTVの短いやりとりでは、「ちょっと待ちなさい。私に限らず、福祉行政を担ってきた者はそうした構造は百も承知しており、その改善にはまず、云々・・・」と以下説明をする間もなく司会者は橋下の威勢の良い言い放しで、マイク順番を断ち切る。大体そういうパターンだ。攻撃する側はワンイシューで責め続け、反論側は問題の整理説明に時間を要する限り「弁明」に聞こえてしまうから苦しい。

ふと「この手法、この論法はどこかで見たぞ」と思った途端、何やら胸と背中にキリキリと鈍い痛みが走った。そうだ、身に覚えがあるのだ。聞き覚えがあるのだ、責め続けるだけの論法を。60年代末前後に確かに見た。自らもそこに居たのだ。                                                                                                                                                                             逆に問われ質され責められる局面には、全く弱く、弱さを知っているからひたすら責め続けられる課題を、次から次へと繰り出せる攻撃課題を機関銃のように連射していた。                                                                                                         攻守逆転が予知される場面では素早く、「論点を反らすんじゃない」「今は、その課題を論じているじゃない。誤魔化すな」と予防線を張り・・・、という具合。全共闘がそれだった。                                                                                               (もちろん、根本思想も少数者・弱者への想いも、人権感覚も、全く逆だったとは思うが、その「手法」は似ていたと認めたい。本来、思想と手法は当然深く関連している。ならば、根本思想などと他言するその思想そのものが、極めて表層的であったと認めざるを得まい)                                                                                      彼の土俵で、ディベート式の「口論」場で守りの相撲しては勝ち目は無い。こちらから攻めるべし。  

                                                                                                             橋本徹。97年弁護士スタートは、左派というか人権派樺島弁護士事務所だった。ボス弁とは仲が悪かったと述懐している。98年、自身の事務所を開設。消費者金融大手の「アイフル」の子会社、商工ローン企業「シティズ」の顧問弁護士となる。「シティズ」は、「利息制限法による引き直し計算とそれを前提にした特定調停・個人民事再生に応じない」、弁護士・司法書士・被害者の会からは極めて問題のある企業として知られていた。この時代を含め法廷で8年間負け知らずと豪語している。が、何に負けなかったのか? 弱者に負けなかったと嘯いているのだ。吐き気がする。                                                                                                                                              高金利であろうが「借りたもの返さなければならない」という「真理」の片面だけに立った弁護活動の思想は、そのまま今日の府政・市政に反映している。(もうひとつの「真理」とは、利息制限法の範囲であっても度を過ぎた高利は自然法に反するということ)。例えば、橋下府政and市政の実際は下記のごとし。                                                                              

【教育】【文化】【公務員】【労働現場】                                                                                                                                            1年期限の講師を急増、私学経常費助成を大幅削減、学校警備員補助を廃止、府立高校教務事務補助員等を雇い止め、青少年会館を廃止、跡地を長谷工に売却、センチュリー交響楽団補助金を廃止、国際児童文学館(吹田市)を閉館、国際児童文学館(吹田市)を閉館、青少年野外活動センターと府民牧場を廃止、クレオ大阪(大阪市立男女共同参画センター)5館廃止案、放課後児童健全育成事業(学童保育)の見直し(廃止検討)(西成の「こどもの里」HP=http://blogs.dion.ne.jp/kodomonosato/archives/10725887.html )、職員給与7%カット、組合事務所貸与の中止、その弾圧の民間への波及 などなど                                                                                                         【福祉】                                                                                                   高齢者住宅改造助成と見守り訪問を廃止、障害者・福祉団体への補助金を廃止、救命救急センターの補助金削減、公害患者死亡見舞金を廃止、ピースおおさか補助金を削減、軽費老人ホーム(ケアハウス含む)運営助成費を改悪、などなど

私学助成削減の再考を求めて来庁した高校生に、「変えたいなら、勉強して君が知事になって変えればいい」と言い放ったのは有名。                                                                                             一方で、弱者のささやかな希いを不充分でもやっと事業へと繋いでいる予算をカットしながら、一方で、特別顧問・参与なる民間人を大量に任用しており(顧問:前市長時代3名→16名、参与34名、計50名)(誰かがNKB48と名付けた)、報酬も増額している。職員も議員も不要だと言っているに等しい。議会や「もの申す職員」は不要で、首長様の言うこと忠実に実行する職員と、首長様の意向を具体政策に「翻訳」してくれる「ある方向性」を共有できる識者・学者・弁護士・会計士が居れば充分。彼にとって、新知事を含め「匿名」のロボットでいいのだ。                                                                 言わせてもらうが、「こどもの里」はじめ、削減・廃止の各施策・事業の費用は、府庁舎移転の失政による損失に比べてどうなのよ?!                                                                                                          あんたが二度の反対決議を押して強行した 府庁移転計画・WTC購入(85億円)・WTCの改修工事(30億円)、3・11に地震で震度3だったが揺れが10分間継続ビル内360ヶ所破損 、専門家から府庁舎として使えないし防災拠点などとても無理との指摘を受けた。東南海地震では「倒壊の可能性も検討すべき」とも言われている。また想定される津波ではWTC地域は水没すして電気系統パアです。                                                       あんたが言う、「二庁舎並存(上町現在地とWTC地域)」で被る損害は、今後30年で1200億円だという。                                       橋下君、そのマイナスを取り戻すために、あれもこれも縮小・削減・廃止してるのですか?http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/47728cd2ca711e56d63330d4a35e6783                                     府政の財政の実際についても、                                                                                                                     『橋下府政の3年9ヵ月で府財政は劇的に好転したと信じる人も多い。しかし今、府の財政指標を眺めてみても、「再建した」と言えるような改善は見えてこない。それどころか、借金は増え続ける一方だ。なぜ、これほどイメージと実態がかけ離れているのか。「橋下改革」とはいったい何だったのか。ほんとうのところを検証するべきだろう。仮に黒字になったとしても、それで府財政が健全だという話にはならない。ここには府債残高とその返済能力、資産などはまったく考慮されていないのだ。それを知ってか知らずか、「11年ぶりの黒字」「改革の成果」と橋下の手腕を讃えるような報道が「改革者」のイメージを作ってきたといえる。』                                                                                                               と詳しくその実態を示すレポートがある( http://gendai.ismedia.jp/articles/-/26964 )。 マスコミが自ら作ったイメージの間違いを認めたくないばっかりに、イメージの拡大再生産を計っているのだ。

橋下政治を要約すれば、

もっと儲かるはずの強者の利益が、弱者への配慮によって損われる「理不尽」を阻止し、
市場原理主義に基づき、社会福祉施策を縮小・廃止し、教育に政治介入し、
公務員に対する強権政治で公共の仕事を縮小させる(つまりは「公」の任務の放棄)                                                         
差別・選別・排除の政治である。「公」を解体する使命を帯びた政治である。                                                                          次に来るのは、橋下維新派の支持階層・支持者自身が排除され直接被害を被る政治体制なのだ。                                                そこを解かり易く人々に届ける努力を怠ってはならない。                                                                 取り返しが付かなくなる前に・・・。

        

                  

                                                                                      

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