歌遊泳: ちあきなおみの何が響くのか?

 
  『敗戦の嵐のあとの花ならで 散りゆくものは道義なりけり』 と詠われた敗戦直後社会。

 品川宿たそがれ氏推薦の敗戦直後期必読三冊: 『敗北を抱きしめて』(ジョン・ダワー、岩波書店) 『拝啓マッカーサー元帥様』(袖井林二郎、岩波書店) 『占領下日本-OCCUPIED JAPAN-』(半藤一利・保坂正康・他、筑摩書房) は、                                                        チームちあきが選択した歌・歌唱の気分に重なるのです。ゴンドラの唄は戦前、他に海外の歌・古い歌・60年以降の歌もありますが、                                                                                        不思議なことに、聞こえて来る歌唱はことごとく、ぼくを敗戦直後時空へと誘うのです。                                      Policeman_and_MP_who_confiscates_goods

 

 

 

 

酒と泪と男と女:http://www.youtube.com/watch?v=gydiqOmRrU8&feature=related                                                                    矢切の渡し:http://www.youtube.com/watch?v=XEntqjfq2PU&videos=hEAeU6W5cT0                                                                         船頭小唄:http://www.youtube.com/watch?v=Tu3l2gw5Wmw&videos=hEAeU6W5cT0                                                                                       ゴンドラの唄:http://www.youtube.com/watch?v=wMSQ1amd7sU                                                                              上海帰りのリル:http://www.youtube.com/watch?v=h3JTRCNgXBo&feature=related                                              港が見える丘:http://www.youtube.com/watch?v=79V8LHAnB08&feature=related                                                         命かれても:http://www.youtube.com/watch?v=atwtZasK168&feature=related                                                         かもめ:http://www.youtube.com/watch?v=-Yuu_uDg8HI&feature=related                                                            別れの一本杉:http://www.youtube.com/watch?v=EVC4Ua3x6UI                                                                                    柿の木坂の家:http://www.youtube.com/watch?v=ftW2aVazdUg&feature=related                                                                  粋な別れ:http://www.youtube.com/watch?v=pI98E6-h0n4                                                                                                五番街のマリー:http://www.youtube.com/watch?v=RmEEX3X8gRM&feature=channe                                                                  遠くはなれて子守唄:http://www.youtube.com/watchv=rGTqZPi_f4Y&feature=channel                                                                          あばよ:http://www.youtube.com/watch?v=qUCDmhSRKHo&feature=related                                                                  カスバの女:http://www.youtube.com/watch?v=SU2vZP7PW_E&feature=related                                                         星の流れに:http://www.youtube.com/watch?v=MAMrw-VqSCE&feature=related                                                                           さとうきび畑:http://www.youtube.com/watch?v=adLVQk1quzc&feature=related                                                                       喝采:http://www.youtube.com/watch?v=sXybTZBI5F0&feature=relate                                                                              http://www.youtube.com/watch?v=yf00mlKVlKE&feature=related(英語版)                                                             朝日のあたる家:http://www.youtube.com/watch?v=MIMh3XjDfGU

「別れの一本杉」の痛切の別れ(遠い遠い想い出しても遠い空♪)。                                                                   「さとうきび畑」の静かな、だからシッカリ響く怒り(海の向こうから戦がやって来た♪)。                                                                         「朝日のあたる家」の渇いて開き直っても、「和解」と「赦し」に至ろうとする心。

散り行く道義の先に見えかけた、社会と人々の可能性を唄った敗戦直後の歌の数々。
チームちあきはその復権をなそうとしているのか? 

たそがれ映画談義: 耳に残る幼き者の叫び-②

『あの子を探して』(1999、中国)  監督:チャン・イーモウ 出演:ウェイ・ミンジ; チャン・ホエクー。
 
13歳の少女ミンジは50元で1ヶ月の代用教員になった。
(1ヶ月間、子供達が誰もやめなかったら10元のボーナス付で)しかし、
教員として資格もなければ知識もない彼女は黒板に文字を写すだけの毎日。
そして、10元のボーナスのために誰もやめさせまいと必死になる。
そんな中、ホエクーが数千元の借金を返すために出稼ぎに街に行ってしまった。
ミンジはホエクーを迎えに行くが・・。(Yahooブログ「一番小さな映画館」より
 
ここから映画は「学ぶこと」「教えること」の原点を示し俄然輝き始める。都会までの運賃を悪戦苦闘の末みんなで計算する。その費用を作り出す方法=近くのレンガ工場での「レンガ運び」を思い立つ。一人あての労働の対価から必要総労働時間の計算をみんなで考える。考えを共同して実践する。その過程はまさに「自主管理」の原点そのものだと思うのだ。
 大都会に辿り着いたミンジの「ホエクー捜索行」を追う映像は、大都市の発展とともに、野放しの児童就労などその影の部分も映し出す。現代中国の都市と僻地の格差は想像を絶し、その範囲はインフラ・産業・就労・収入・教育など全ての領域に亘っている。
 あの子を探して③
 
 
最初、ミンジは生徒が辞めてはボーナスが入らないと必死だったのだ。TV放送での人探しを思いつき、局を突撃。幹部の知るところとなって運良く放映となる。行方不明になった年齢とてさほど変わらぬ弟のようなホエクーへの呼びかけの本番は、報酬問題のことなど吹っ飛んで、ただただ 涙ながらに「帰って来て!」……。
 TV画面を見つめるホエクーの、みるみる歪んでゆく表情……。
 大げさに言えば、このシーンは、個人の利害・私欲から出発した少女の取り組みが「教育」や「自主」の核に迫る瞬間を、捉え得たものだと思えるのだ。イーモウは発展を全否定しているのではない、あるいは発展の果実に溢れるこの時代を呪っているのでもない。発展によってしかカバー出来ないものの存在の多きことを大中国の現実の中で、痛い想いで充分に認めているのだ。ただ、ミンジやホエクーを排除しての発展なら、そんな発展は要らない! そう言っていそうだ。
テレビ放送に至る経過は、局に座り込んだミンジの不屈の努力よりも局幹部の配慮が為せる技だと、人脈社会を皮肉っていても、弱い声にも応える体制ですとまとめる、チャン・イーモウのヨイショだ。あるいは、ラストの報道機関を伴っての行政による「貧しい村へのプレゼント」作戦は、一部の「貧困」へ目立つ援助を行なうあの国の常套手段で、イーモウはそれを肯定している(ぼくにはこれは皮肉に思えたが)。などなど、 高度(?)に過ぎる論議の前に、幼い者の叫びを刻んでおきたい。幼き者の叫びは、そんな思惑を超えている。                                                      
 

たそがれ映画談義: 耳に残る幼き者の叫び-①

『蝶の舌』 (1999年、スペイン) 監督:ホセ・ルイス・クエルダ 出演:フェルナンド・フェルナン・ゴメス、マニュエル・ロサーノ。

1936年2月、スペインでは選挙で左派が勝利、「人民戦線政府」が誕生する。                                                                 同年7月右派ファシストが反政府クーデターを開始、8月モロッコに本拠を置くフランコ軍が本土に上陸、内戦状態に突入。                                    内戦は国際化し、イタリア・ドイツは反乱軍支援、欧州各国は不介入宣言、ソ連は人民戦線政府に戦車・大砲・飛行機など武器援助、各国からは義勇兵が駆けつけ、人民戦線内に「国際旅団」も作られた。アーネスト・ヘミングウェイ、アンドレ・マルロー、ジョージ・オーウェルなどが、それぞれの思想・立場から参加。                                              

共和国政権の内部は、穏健共和派、自由主義者、社会党、親ソ共産党、反スターリン派(POUM、オーウェルはここに参加)、労働組合では社会党系UGT、アナキスト系CNT(人民戦線には参加していない)といった具合の混成だったが、現代思想と20世紀政治運動の百貨店だったとも言われ、内部混乱は激しかった。加えて右派ファシストの妨害、国際的包囲網。政策決定・実施には、難渋を極めた。

 (廃墟と化したゲルニカ)  

廃墟と化した ゲルニカ                                                                

37年4月、フランコ反乱軍を支援するヒットラー・ドイツは、空軍コンドル部隊を北部バスク(保守層も支持する、反中央の自治政府)に差し向け、『ゲルニカ』に対して「都市無差別爆撃」(ピカソ「ゲルニカ」)を実施。                                                                    37年5月、バルセロナ市街戦では親ソ派共産党は、アナキストの排除、反スターリン派の排除(つまり内ゲバ)を徹底して行なった。                                                  39年1月バルセロナ陥落、39年3月マドリード陥落。フランコ派勝利。                                                    市民戦争・内戦・市民革命・・・色々な名称で呼ばれている現代史の縮図、スペインの3年間。

さて、『蝶の舌』は36年春から同年夏(ファシスト反乱の最初期)までの、混乱があって緊迫していても、「人民戦線政府」が輝いていた短い時間を背景にしている。とっつきにくくとも少年モンチョが心を開くことが出来た老教員グレゴリオは、教育と社会に信念を持っていて、それを穏やかに実践するベテランだ。喘息持ちのモンチョは入学時に[おもらし]をして出遅れるが、学校に馴染ませてくれたのは、先生だった。野に出て命を伝え感じさせてくれたのは先生だった。蝶に渦巻き状の舌があること、欄の花をメスに贈る鳥:ティロノリンコのことを教えてくれたのは先生だった。                                                                          36年夏、老教師グレゴリオはモンチョとの交流の場面で言う、 「人にいってはならん、これは秘密だ。あの世に地獄などない。憎しみと残酷さ、それが地獄の基となる。人間が地獄を作るのだ」(作者は、この会話に加え、ラストシーンで軍ファシストの後方に神父をウロチョロさせ、怒りを込めてカソリック教会が果たした役割を暗示している)
 そして短い夏の終り、退官講話の席でこう語る。「誰も、春に愛を交わすために古巣へ帰る野鴨を、止めることは出来ません。羽を切ったら泳いで来ます。脚を切ったらくちばしを櫂にして波を乗り越えます。その旅にいのちを賭けているのです……。いま、人生の秋を迎えどんな希望を持てるのか……実は少し懐疑的です。オオカミはきっとヒツジを仕留めるでしょう。」グレゴリオはこの政府と自分達の運命を覚悟していた。

田舎町にもファシスト反乱軍の暴虐が押し寄せる。「共和派」が拘束され連行されて行く。その中に町長や老教師グレゴリオが居た。街の人々は、連行する側のファシストに媚びて、口々にグレゴリオらをののしっている。                                                                             母親に「あんたも言いなさい」と促され、モンチョも言う。「アカ!」 「アテオ(無心論者)!」・・・・。詰め込まれた護送トラックの荷台に立つグレゴリオ、石を投げつける少年たちの輪に入ってしまうモンチョ・・・。 モンチョが最後に発する言葉・・・あゝ、それはこの映画のタイトル「蝶の舌!」であった。                                        親愛と尊敬の情を、このようにしか表現できなかった少年の無垢な心に、ぼくは嗚咽した。グレゴリオとモンチョの交流交感はこうして圧政と社会によって断ち切られたが、21世紀の今も、深く繋がって生きているのだ。それが、痛切の記憶というものだ。 

 1936年、国民的詩人:フェデリコ・ガルシア・ロルカはファシストに虐殺される。四方田犬彦は書いている。                                   『ロルカの死は悲痛きわまりないものである。その悲痛さを克服するためには、何をしなければいけないのか。                                        それは祈ることではなく、記憶することだ。記憶が、たどたどしく築きあげる歴史から、われわれは学ぶことはできる 』と。                                                                       記憶とは そういうものだ。   

余談ですが、故:アジェンデ・チリ大統領はバスク系の人です。                                                                 1973年9月11日、サルバトール・アジェンデ 最後の演説 (ピノチェト軍が包囲する、サンチャゴ・大統領府「モネーダ」より) http://www.youtube.com/watch?v=SG3f08LVwhE

                                                                        

 

                         

たそがれ映画談義: 洲崎パラダイス赤信号

 『洲崎パラダイス赤信号』(1956年、日活)  監督:川島雄三 出演:新珠三千代・三橋達也・轟夕紀子・芦川いづみ。

 本編導入部画像:
 
15年以上前だったろうか、偶然HNKで放映されているのを観て、ビックリ。                                                   「掘り出しものを観た」と映画好きの何人かに知らせたりした。「映画好き」各位のほとんどはよく知っていて、                                                    「何を今さら、あの名作『幕末太陽傳』の川島雄三の作だ。しかも、彼自身お気に入りの作品でっせ!」だった。                                                                                            主演の新珠三千代さんは、もちろん高校時代に『人間の条件』(監督:小林正樹)を再公開で観て、梶の妻役として知っていた。                                                                               前後関係はどうだったか忘れたが、TV『氷点』の母親、『細うで繁盛記』の女将で見かけていた。                                                見かけたというのは、その時期テレビはあまり見なかったので記憶はあいまいなのだ。
 
                                                     売春防止法成立前の時代を描いて秀逸だ。喜劇仕立てであっても、そこに展開される「時代」にへばり付いて生きる主人公男女のすかたんドタバタ道中には、その「必然」があったと思う。
パラダイス(売春街)への入り口に架かる橋が比喩的に登場する。その橋のたもとにうらぶれて立つ呑み屋で、あっちへ行くかこっちに残るか……ギリギリ踏みとどまっている女、蔦枝(新珠三千代、意外にも見たことないほどのハマリ役だった)と、何をしても続かないダメ男:
義治(三橋達也)との、「明日」の見えない「今日」につまずいて漂う男女。                                              「戦後」を生きあぐねるその姿を通して戦後空間の時代不安を活写していた。                                   女は橋を渡(昔居た世界に戻)らなかったのだ。
社会が落ち着き始め、復興の明るい未来への展望も拓けている。公務員・サラリーマン・他、その流れに与する人々から隔たったひと組の男女。(06年1月、カルチャー・レヴュー57号投稿自原稿より転載)
 

新珠三千代:1930年生れ。宝塚出身。1951年、東宝から映画デビュー。1955年、宝塚退団、日活入社。57年東宝に戻る。                                                                                                   森繁「社長シリーズ」など東宝現代喜劇に欠かせぬ「夫人」役(もったいないねぇ)をこなした。                                                                                       和服の似合う清楚高潔な「伝統的な日本女性」としてのイメージを保ちつつ、娘役から母親役まで、                                                良妻賢母から悪女まで幅広い役柄を演じられる女優として各方面から絶賛された。【ウィキペディアより】 

『・・・赤信号』は、橋を渡らぬ女を演じて、後にも先にも無いほど役を我がものにしていた。彼女26歳時の作品だ。                                                                                           2001年3月没(享年72歳)、合掌。                                                                                                                                                                                                                          

   

つぶやき: 民主党に告ぐ

 
野古新基地建設反対!
普天間基地即時撤去!
嘉手納統合策動粉砕!
 
国会前で横断幕の下に座った「9条改憲阻止の会」の親爺さんが
次のように語っていた。
『「OCCUPIED OKINAWA」。
 ヤマトが 明治政府が そして日米が、沖縄を占領し続けて来たのだ。
 「戦後」というもの総体が、そのことを与件として成り立って来た。
 沖縄はその丸ごとの見直しの開始を、求めている。 』 
 
保守二大政党というものが、上述親爺が言う与件を前提とする「合意」によって
成り立つとしたら、保守二大政党ということがすでにして『大連立』なのだと思う。
そもそも、先年、小沢・福田の大連立構想を阻止した民主党(の諸氏)には、
アメリカ型二大政党、大連立の変形であるような保守二大政党、ではなく
対立軸がより明確なヨーロッパ型大政党への構想があったはずだ。
日本での明確な対立軸について設定されるのは、
「小さな政府 vs 大きな政府」 「新自由主義 vs 社会民主主義」などと言われるが、
実は、明確なのは、日米安保体制を根幹とする「戦後」そのものへの「立位置」なのだ。
ここを譲り、「丸ごとの見直しの開始」を見送るなら、その位置は「合意」の内側に在り、
つまりは、二大政党のカタチを採るが実質大連立体制であり、
大連立構想を押し返した民主党議員らの志(?)は潰える(?)のか? 
あるいは、構想した二大政党へ進むのか・・・・? 
現在(いま)正にその岐路に在る。その鍵は、「憲法」と「沖縄」への立位置にある。
沖縄・辺野古・米軍、ここで社民党を寄り切って、民主党政権が向かう先は何処なのか?

突然ですが

渡辺白泉 【わたなべ はくせん】
 1924(大正2年3月24日)~1969(昭和44年1月30日
渡辺 白泉

 

 

 

                                                                                                                           弾圧の厳しい戦時下にあって、京大俳壇は
国家・社会に対する批判精神を持ち続けた。
各誌は廃刊に追い込まれ、白泉も検挙された。

重い「冬」、快晴下・静寂の「夏」が迫る。
季語を超越した季語だと言われている 。
 
銃後といふ不思議な町を丘で見た (1938/昭和13)
 
戦争が廊下の奥に立つてゐた (1939/昭和14) 

玉音を理解せし者前に出よ (1945/昭和20)

 

歌遊泳: 石狩挽歌

 【石狩挽歌】
本家は強し! 北原ミレイ
夏川リミの別イメにはびっくり・・拍手。
いつのころですかね?
 
中森明菜
http://www.youtube.com/watch?v=UaCMtEExCls&feature=related                                                             坂本冬美
http://www.youtube.com/watch?v=bWfjXi1rZQc                                                               夏川リミ
本家:北原ミレイ
 最近の北原ミレイ
にしん漁、にしん御殿
歳を重ねてちょっと声不安の本家さん。見つめる作詞者:なかにし礼の表情が実にいい。
いやむちゃくちゃええどぉ~。こういう70歳になりたいなぁ~)

歌遊泳&交遊録: アカシアの雨がやむとき

 
『アカシヤの雨がやむとき』から50年。
 
60年6月、国会を包囲した**万余の人々。 樺美智子さんが写っていると言われている記事。
来年2010年は、60年安保闘争から50年です。時あたかも、
普天間-辺野古問題から、沖縄の米軍基地問題・日米地位協定から戦後沖縄に負担を押し付けて来たことへの、根本的見直しの開始が求められています。つまりは、日米安保軍事体制そのものの見直しです(各種密約も明らかになっていることだし)。
自民党だけでなく、マスコミ・政治評論家あげて「普天間県内移設」に反対する社民党バッシングに走り、沖縄負担の拡大再生産として処理されようとしている。民主党政権の正念場です。
民主党政権半信半疑・小沢嫌いのスタンスだった司会者なども、「小沢も社民党には怒っている」と、小沢の威を借りて「アメリカとの信頼関係が崩れてもいいのか」と感情的に大声で吠えている。
ちょっと待ったれや! 逆やろう! 問うべきは、『沖縄の米軍基縮小、負担軽減、日米地位協定観直し を唱えた政権の当初姿勢、沖縄との信頼関係は 崩れてもいいのか?』 やろ。
国会前に横断幕を掲げ、座り込んでいる「9条改憲阻止の会」の60年安保世代(70代)の爺さんが、こう言ってました。
  『「OCCUPIED OKINAWA」。
   ヤマトが 明治政府が そして日米が、沖縄を占領し続けて来たのだ。
    「戦後」というもの総体が、そのことを与件として成り立って来た。
      沖縄はその丸ごとの見直しの開始を、求めている。 』 
 
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松田聖子 http://www.youtube.com/watch?v=jpJjCGVS3-E                                                           高橋真理子・工藤静香 http://www.youtube.com/watch?v=D1rFfFbhxtw                                                                                 戸川純 http://www.youtube.com/watch?v=dean1ozOdsg&feature=related                                                                 フランク永井+ニニ・ロッソ http://www.youtube.com/watch?v=bn_tfRB8zQc&feature=PlayList&p=51193832371DE118&playnext=1&playnext_from=PL&inde                                坂本冬美 http://www.youtube.com/watch?v=SwRO9kCm5vo                                                                                                  石川さゆり http://www.youtube.com/watch?v=VqxUwELbnc4                                                           おおかた静流 http://www.youtube.com/watch?v=GEodr7rHYw0&feature=related                                                               西田佐知子 http://www.youtube.com/watch?v=msSznHB4OyY

この歌、60年安保後に青年が口ずさんだそうだ。
戸川純歌唱の映像に69年の記録フィルムが
使われていますが、どうでしょう? やはり合いませんね。
歌謡曲は時代を映すものなのか、
それとも、人が歌謡曲で時代を思い起こすのか・・・・?
それにしても、若い歌手の表現力、一体どうします?
この中で西田佐知子さんと互角の勝負が出来ているのは、
フランク永井さんかな・・・と思います。
なるほど、この中ではご両名だけが、戦後の焼跡・闇市、貧困と公的「夢」、60年安保闘争を、・・・垣間見たのか?                                                                                                  うんと若いおおかた静流さん、これは別格ですなね。時代を超えている。
 

つぶやき&歌遊泳: 【おさななじみ】異論

【おさななじみ】にみる『公的記憶の改竄又は無化』
 
1963年発表 作詞:永六輔 作曲:中村八大 
 
おさななじみの 想い出は 青いレモンの 味がする 閉じる瞼の そのうらに おさない姿の 君とぼく                                                                             お手々つないで 幼稚園 つみき ぶらんこ 紙芝居 胸にさがった ハンカチの 君の名前が 読めたっけ                                                                           小学校の 運動会 君は一等 ぼくはびり 泣きたい気持ちで ゴール・イン そのまま家まで かけたっけ                                                                             にきびの中に 顔がある 毎朝鏡とにらめっこ セーラー服が よくにあう 君が他人に 見えたっけ                                                                                        出すあてなしのラブレター 書いて何度も読みかえし あなたのイニシアル何となく 書いてやぶいて捨てたっけ                                                                          学校出てから久しぶり ばったり逢った二人とも アベック同士のすれちがい 眠れなかった夜だっけ                                                                                 あくる日あなたに電話して 食事をしたいと言った時 急に感じたむなさわぎ 心の霧が晴れたっけ                                                                               その日のうちのプロポーズ その夜のうちの口づけは 幼ななじみのしあわせに かおるレモンの味だっけ                                                                             あれから二年目僕たちは 若い陽気なパパとママ それから四年目幼な子は お手々つないで幼稚園                                                                                おさななじみの 想い出は 青いレモンの 味がする 愛の印の幼な子は 遠い昔の君と僕
 
永六輔は、作詞時期=63年当時に高校生か大学生(つまりは16~22)である諸君の少年期を拝借し、彼らが自身の近未来から、個人史を振り返える。
そんな設定で、時代・世代を問わず歌える歌を作詞したに違いない。そうだとは思う。
しかし、当時30歳の永が1933年生まれ、歌い手の初代デューク・エイセスが30年代後半生まれの若いパパ・ママ達であってみれば、                                                                 聞き手がそこで「作り手の幼少期、初恋、結婚なのだ」として聞いたとしても、
それは聞き手の責任ではない。事実、当時誰もがそう聴いたのだ。
  
さて、ぼくの言い分。
歌詞から主人公カップルの年齢を推理すると、
学校出て数年後再会しプロポーズ、
で2年後若いパパ・ママとなり、さらに4年後の今(63年)、
子が幼稚園へ通っている。
整理すると、大卒22歳+数年+2年+4年=30歳前後
ということになる。高卒だとしたら26歳前後。
従って、彼らの生年は、
1963(歌発表年-30=1933 33年(昭和8年)前後、
敗戦時12歳で、戦後を18年間生きた、そういう世代だ(高卒ならマイナス4歳)。
彼らが戦争期を小学生として過ごした体験は強烈に刻印されているはずで、
はたして歌詞にあるような幼児期だっただろうか・・・?
幼き日々の記憶に、わだかまって沈殿しているものこそ、「生」の核心だ。
描かれている世界は我が世代(1947年生)を含む戦後世代の幼児期のように思えて仕方ない。
何故か? 戦争の影、その不在なのだ。
 
歌には、敗戦期を挟んで、戦前戦後を生きた少年少女の証しが、全く無い。 都市部在住なら空襲や疎開もあったろう。
地方を含め、物資不足・勤労動員・ひもじさや父不在、
そうした戦争期の社会構造や風景の中で生きたはずだ。
敗戦後、ギブミーチョコレートと声を上げジープの後ろを追ったかどうかはともかく「進駐軍ジープの排気ガス」、                                                                            焼跡・闇市の雑踏と喧騒、進駐軍・価値混乱・戦後の諸改革を目の当たりにして生きたのだ。
自身でなくとも、父や母、兄や姉、身近な者の「戦争」を因とする受難も見たはずだ。 
 痛苦の記憶の味・匂い・香りを、                                                                                     「青いレモンの味」一本へと変換する装置こそが、公的記憶の無化装置であり、
大衆と呼ばれる存在の生きて行く為の方法論なのだろうか・・・? その装置がこの歌にはありはしないか?
ぼくのようなひねくれ者が聞くと、敗戦を12歳で通過した者の飢餓感や悲哀なんぞは、
明るい未来に彩られた所得倍増社会を生きる者には邪魔だと言っている、と聞こえなくはない。
作者が、当時のサブ・カルチャーの多くと同じく
たとえ無自覚であれ(自覚してであれ)「もはや戦後ではない」という掛け声を容れ、
公的記憶を改竄しその無化に手を貸していると言われてもしかたあるまい。
そう言われては、他で戦時下の児童の体験談などを反戦論として語って来た永は辛かろう。
で、我らは、
戦争期・敗戦期の公的記憶を改竄し無化するような「愛国政治」「衆愚文化」「勲章文化「お上ヨイショ言説」・・・、
そこには決して与しないぞという意志を持っていたい。
それが、我ら「民」の存在論的可能性ではないだろうか・・・? 
自分たちの記憶を結果として無化しては、在日・沖縄・など少数「他者」 の受難の「記憶と現在」への想像力を持ち難いのではないだろうか?
 
【参考1963年という年】
映画:「にっぽん昆虫記」「武士道残酷物語」「拝啓天皇陛下様」「真田風雲録」
歌謡:「長崎の女」「高校三年生」「美しい十代」「こんにちは赤ちゃん」
事件:吉展ちゃん事件、松川事件全員無罪、大阪地裁吹田事件全員無罪、狭山事件
商品:電機蚊取機ベープ、コーンフレーク、
造語:カワイコちゃん、三ちゃん農業、ピンク映画、OL、
価格:ビール115円、銭湯23円、大卒初任給\19,400、
 
【1963年に30歳前後だった人々】
作詞者:永六輔が、まさに33年生まれなので、歌の主人公をその世代と仮定する。
1963年に30歳前後(1932、33、34年生れ)はこんな人々(現在74~77歳)だ。
32年:岸恵子、船村徹、滝田ゆう、仲代達也、小田実、遠藤実、渡辺美佐子、
33年:江藤淳、岡田茉莉子、渡辺貞夫、南田洋子、永六輔、伊丹十三、
34年:児玉清、財津一郎、大橋巨泉、山田太一、皇后美智子、米倉斉加年、
 
学童疎開②
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
例えば彼らをウィキペディアで引くと、共通体験、頻度最多事件は学童疎開なのだが・・・。
台東区(旧下谷区)生れの永自身も「学童疎開」の体験者だ。

歌遊泳:  永六輔・中村八大の登場

六・八コンビ

作詞:永六輔、作曲:中村八大は、六・八コンビと呼ばれた。

『夢で逢いましょう』(TV番組主題歌61年)、水原弘:『黒い花びら』(59年)『黄昏のビギン』(59年)、                                               坂本九:『上を向いて歩こう』(61年)、ジェリー藤尾:『遠くへ行きたい』(62年)、梓みちよ:『こんにちは赤ちゃん』(63年)、                                                                              デューク・エイセス『おさななじみ』(63年)(北嶋三郎『帰ろかな』はオリムピック後の65年)                                                                                  敗戦後社会の貧困を脱し(朝鮮戦争<50~53>特需がその出発なのだが)た社会が、                                              東京タワーを完成(58年末)させ、東京オリムピック(64年)へ向かう頃・・・・、何かを置き去りにして発展を謳歌する世に、コンビは歌を提供した。                                                                      さて、上記六・八になる歌は、正に豊かさが始まり全国に行き渡る時期の代表歌謡群だ。

『アカシアの雨がやむとき』(60年)を聴いていた(あるいは歌っていた)学生さんも、                                                                                           60年安保敗北の湿った『挫折』病(?)から立ち直っ(た振りをし?)て、高度経済成長社会(岸退陣後、池田「所得倍増計画」)へ向かう。                                                                         やがて、モウレツ社員と呼ばれることとなる世代だ。六・八コンビの歌は、その時代の明暗の、どちらかと言えば「明」の部分からの逆説、                                                                             個的世界を謳歌することの意味を堂々と主張していたように思う。「戦後」後的なのだ。                                             経済発展に付帯して当然に持つべき「先進国的個人」の「自己主張」の大衆的開始だった(ぼくの中高時代に当たっている)。                                                                   それは、まるで、やがて来る、経済成長が抱えきれない生産と消費の矛盾、侮れない若者の量的存在、など時代的なある「飽和」が、                                                                   個と社会との抜き差しならない関係となり、いわゆる『大衆反乱』(実は学生世代だけの)となる60年代末への予告編でもあった。                                                             60年代末の学生反乱からさらに世紀末の大学、21世紀大学を論じて同世代の論者三浦雅士はこう言っている。                                                                                            「自動販売機に敗れ去るセールスマンの物語『セールスマンの死』(アーサー・ミラー) の五〇年代からさらに加速される変化は、                                                                      六〇年代の『大学=労働力商品の大量生産工場』を経て、 いまや大学は工場でさえなく、『大学自体が自動販売機化』している」                                                                                                                  (『青春の終焉』、2001年、講談社)

さて駄話は尽きないが、六・八コンビの歌の中から「ひとつ」と言われれば、私は、『黒い花びら』か『黄昏のビギン』なのだが、                                                                    『黒い花びら』は大ヒットしたしあまりにも有名なので、ここでは【黄昏のビギン】(1959年)としておく。ここでも、ちあきなおみさんが圧巻だ。

前川清
http://www.youtube.com/watch?v=kLhK7PAd2hM                                                                     夏川りみ
http://www.youtube.com/watch?v=KEKFY7yuT8c                                                                  石川さゆり
http://www.youtube.com/watch?v=aSzgIqUTRqM&feature=related                                                                                                 

ちあきなおみ
http://www.youtube.com/watch?v=VcsDsOEU3B0&feature=related                                                                                                                                                 水原弘
http://www.youtube.com/watch?v=SqJJPxwSYho

この歌には、他の六・八歌には無い「陰り」がある。敗戦後社会と経済成長社会との交差期、そのあわいに宿る、                                                                                                     まだ高度成長が身に付かない敗戦後を引きずっているような空気、                                                                                        東京タワーの威容も、見上げれば足許が揺れそうで、シックリ来ないような違和感・・・。傑作です。

だが、実はぼくは、六・八コンビには言いたいことがある。一昨年書いたもので、次回 載せる。

歌遊泳: 酒と泪と男と女

【酒と泪と男と女】


みんな呑兵衛ェなんやろかね!
23歳・46歳とある河島英五さんには、是非60代後半の歌唱を聞かせて欲しかった。
きっと「呑んで呑んで呑まれて呑んで」のところ、力んでは歌えんでしょう。
第一、歳食えばそんなにガブ呑みは出来ませんしね。
ところで、ここでも先日同様、ちあきなおみさんがええね。

                                                                                                                和田アキ子
 http://www.youtube.com/watch?v=lp78rRty0v0&feature=related                                                                                         堀内孝雄
 http://www.youtube.com/watch?v=R1fc0iVhRVo                                                                                   金蓮子(キム・ヨンジャ)
 http://www.youtube.com/watch?v=n_Hj_HnXgn0&feature=related                                                                         鳥羽一郎・五大夏子
 http://www.youtube.com/watch?v=uCCt0B32YOQ&feature=related                                                                                            杉良太郎
 http://www.youtube.com/watch?v=T5Fs63W7VJ0                                                                                                    ちあきなおみ
 http://www.youtube.com/watch?v=gydiqOmRrU8                                                                                          河島英五(23歳)
 http://www.youtube.com/watch?v=-4m1GPE35rg&feature=related                                                                            河島英五(46歳)
 http://www.youtube.com/watch?v=tQG1pt_oUls&feature=related

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