品川塾誇大史: ウラジオストックの新石器時代~縄文期の黒曜石

友人たちが7月に一週間前後、極東ロシアを旅すると聞いた。
「日露」戦争跡地巡りでも、「北方領土」からみや昨今の日露の極東資源開発・経済協力の事前調査でもないことは確かだ。
21世紀の東アジアを俯瞰し、尖閣問題・いわゆる「中国の赤い舌」問題に限らず地政的課題、経済的相互協力(依存)的課題、文化・民族的課題、20世紀の歴史を共同の東アジア史として見つめ、中日・朝日・韓日・露日の現実的な壁・制約と可能性を肌で感じたい、とのことだと聞いた。諸事情で行けないが、興味があって羨ましい。
ワシの興味とは、短期間の旅で何かを掴める質のものでないが、21世紀だからこそ、100~150年の近現代や500年や1,000年の単位の時間ではなく、地図的だけでなく時間的にも俯瞰したいとの積年の「黒曜石」ロマンとでも言うべき妄想だ。

過去ブログから転載する。
青森県青森市の4,500年前から3,000前だろうと言われている、有名な三内丸山縄文遺跡には大型家屋(集会施設か)の構造柱の巨木(栗=腐りにくい)・糸魚川のヒスイ・長野県霧ヶ峰の黒曜石・新潟のアスファルト(防水剤)などが出土していて、この地の集団の交易圏の想像以上の広さが実証された。
同時期かそれ以前の生活用具のひとつ石鏃(ナイフやヤジリとして実用)が、ウラジオスットクから出土している。石鏃の素材は「黒曜石」で、ガラス質でスライスし易いが強度もあり石器時代から刃物として使われて来たと言う。その成分は、二酸化珪素・酸化アルミニウム・酸化ナトリウム・他で、現在の分析技術では成分構成比や混合成分から、その産地が特定できるのだ。
ウラジオストック出土の「黒曜石」土器だが、分析の結果、果せるかなその産地は、何と島根県隠岐だった。

縄文期、あの内海―――日本:日本海、韓国:東海、共和国朝鮮:朝鮮東海、中国:日本海のようだ――を、交通路とする文化・交易の実態があったことが、浮かび上がる。
縄文期の伝承らしいと言われている、出雲の「国引き神話」で北や西の国を『引く』のも「交易権樹立」の事績の伝承と読み解けば、あながち絵空事だとは言い切れまい。kokuyou11

話は飛ぶがうんと下った時代の、近畿天皇家による九州王権の歴史・神話・伝承・文化・他の強奪・剽窃の歴史・・・・。
ある勢力の東征(九州一派の大和入り)、邪馬壱国、九州王者磐井への近畿継体政権の叛乱(教科書は「磐井の乱」と記述)、聖徳太子&遣隋使の虚構(阿蘇山あり、故なくして火を噴き云々)の真実、壬申の乱の実際、の聞きかじり情報を縷々申し上げて来た。
また、縄文期の実態と「あの海」を巨大な内海とする文化圏のことも素人なりに言って来た。おおかたは、「現情勢に関係ないやろう?」との反応だった。
「現情勢に関係して来ている」ではないか?!21世紀~22世紀、それらが明らかになって行くか?

 

山村 貴輝
 山村 貴輝 古田さんは現地を見ていないから(文献だけ)、空理空論です。
橋本 康介
 橋本 康介 おっと、「空理空論」とは穏やかならぬ手厳しい表現! 確かに、古田氏は「倭人も太平洋を渡った」「(エクアドルの)バルディビア遺跡(縄文土器との近似性)」や『東日流(つがる)外三郡誌』に関する論説などで、実証性に乏しい・思い込みだとの批判に晒されて学術的信頼を落としたらしい。が、ウラジオストック黒曜石の石鏃に関しては、脚を運んでもいるようですよ。
http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/kaihou54/furuta54.html
貴兄は何処だったかで「考古学研究者」と名乗って居られたから専門家でしょうが、素人のワシにはここでの論旨=(ウラジオ出土の黒曜石の産地は隠岐だった。縄文期あるいはそれ以前から、日本名:日本海を内海とする交易圏が存在した)=は、空理空論ではないと思います。
出来れば、この論のどこが空理で何が空論なのか、教えて下さい。
なお、縄文文化・紅山文化の時系列的位置は縄文の括り方で諸説あり、紅山文化⇒縄文文化とも言い切れないらしいですね。ここらも教えて下さい.
鹿児島県霧島市国分の9,500年前と言われる「上野原遺跡」の完成度の高い土器などの写真を観ていると、約6,500年前の喜界カルデラの大噴火(普賢岳のおよそ100倍規模)で南九州一帯の生物が全滅したというこの遺跡が告げる縄文の深さに唖然!つまり、6,500年前の火山灰地層の下からゴロゴロ出土してくる。

http://bunarinn.lolipop.jp/…/minamikilyusilyuuA-html.html

山村 貴輝
山村 貴輝 お答えするのは膨大な資料的裏付けと文字数が必要です。まず、ウラジオの黒曜石は「本当」です。とりあえずここまで。
なお、縄文文化が大陸に影響を与えたという考えは、皇国史観に繋がる思想で学問ではありません。打倒の対象です。
橋本 康介
橋本 康介 いずれ拝読します。                  
「空理空論」「打倒の対象」・・・似た言葉ですね。大陸に影響を与えたというのはいかがわしく、よぼどの資料・出土などの立証が必要だとワシも思いますね。が、火山帯とう条件などから、先行した「焼き物」技術(例えば上野原遺跡)があったとしたら、それの一部が影響した可能性をただちに全否定する識量を、当方持ち合せてはいない。取り敢えず、思考において、要は空理空論や打倒という、かつて「決定論者」が使った言い回しを、ワシは好まないといことだけお伝えします。

 

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